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阪神戦6回6安打1失点で今季2勝目

ヤクルト・石川雅規が4日の阪神戦（甲子園）で6回6安打2三振2四球1失点で2勝目を挙げた。

4月9日の阪神戦（甲子園）でプロ野球史上初となるルーキーイヤーから24年連続勝利をマークしたベテランは、これで通算188勝。200勝まであと12に迫った。

石川は4回に森下翔太に3号ソロを浴びて同点に追いつかれたが、その後は丁寧な投球で阪神打線に得点を許さない。7回表にヤクルトが3点を勝ち越すと、7回裏から木澤尚文、荘司宏太、石山泰稚の継投でリードを守り切り、石川に勝ちがついた。

昨年までの2年で計3勝にとどまっていた現役最年長の45歳左腕は、衰えに抗いながら投げ続け、今季は3試合で早くも2勝。ついに200勝に手の届きそうなところまで来ている。

ストレートは平均128.6キロ

一体、身長167センチの小さな体でなぜ勝てるのか。元々、技巧派として活躍してきたとはいえ、加齢による衰えは球速に表れている。

投球割合の高いストレート、スライダー、シンカーの3球種の年度別平均球速と最高球速は表の通り。平均130キロ台半ばだったストレートは40代になってから徐々に落ち始め、昨年ついに129.9キロと初めて130キロを割り込んだ。

さらに今季ここまでは平均128.6キロ、最速132キロとプロ入り後最も遅い。スライダーとシンカーも球速は落ちている。

スライダーとシンカーは割合も被打率もアップ

実際、今季はストレートの被打率.467と“滅多打ち状態”だ。それにもかかわらず、きちんと試合を作ってチームの勝利に貢献するのは、ベテランらしい熟練の投球術に磨きがかかっているからにほかならない。

ストレートの割合を昨季の30.7％から今季は24.1％に減らし、逆にスライダーは14.9％から18.0％、シンカーは18.7％から20.2％に増やしている。

そして、被打率もスライダーは昨季の.269から今季は.167、シンカーは.241から.000に改善。変化球を多投することで球威の衰えをカバーし、打者の打ち気を逸らしながら打たせて取っているのだ。

打者からすれば、打てそうで打てないため余計に力むこともあるだろう。それこそ、まさにベテラン左腕の術中にハマっていると言える。

50歳まで現役を続けた山本昌（元中日）は45歳のシーズンに5勝を挙げ、48歳のシーズンでも5勝した。元々投球術で勝負する技巧派の石川は、剛腕タイプより衰える幅は小さいのかもしれない。手に職があれば長生きできる、教科書のような投手だ。

プロ通算545試合で188勝190敗。負けの多さもまた勲章と言えるだろう。「小さな大投手」の挑戦はまだまだ終わらない。

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記事：SPAIA編集部