【横浜市栄区】いたち川再整備 クラウドファンディングで目標額2倍超に 栄土木事務所も驚き
栄土木事務所は10月31日、いたち川沿いの樹木の保全などを目的に行ったクラウドファンディング(以下CF)で約660万円が集まったことを発表した。7月から9月末までの寄附期間で、目標としていた300万円を大幅に上回る金額が市内外から寄せられた。
合計で229の個人・法人から支援があった今回のCF。土木事務所の担当者は「想像以上の支援件数で大変驚いた」と素直な実感を語った。
栄区の桜の名所でもあるいたち川沿いの遊歩道。しかし、桜の植栽から40年以上が経過し、植えられた木々は老朽化が原因で近年倒木や落枝が相次いでいる。そのため、土木事務所は樹木の伐採を徐々に進めた。多い時で50本ほどあった桜が現在は20本にまで減少している。
このような状況に対して、川沿いの環境保全のために樹木の診断と桜の植栽を計画。資金の一部を7月1日からCF型ふるさと納税で募った。目標額は300万円に設定。
地道な周知活動
目標達成のため、土木事務所は市の広報紙やホームページへCFの概要を掲載。また、職員たちがチラシを1000枚以上作成した。チラシは区内のみならず、市内全域の公共施設に配架。さらに、区内の商店などに掲示を依頼。地域イベントにも積極的に参加してチラシを配布するなど、地道な広報活動を継続した。
そうした活動が功を奏し、9月4日には300万円を突破。約1カ月を残しての目標額達成となった。さらに16日から受付終了日の30日の期間では、金額全体の4割に当たる約280万円が寄せられ、終盤に大きく金額が伸びた。担当者は「229件の寄附のうち、約8割の177件は区内の法人・個人から寄せられた」と傾向に触れ、「改めて区民のいたち川への熱意を実感した」と振り返る。
樹木医の診断開始
支援の受付が終了した現在、樹木医による診断が始まっている。今後は診断結果をもとに、剪定と樹木の状態を記録した台帳の作成に移る。桜に関しては業者選定などの準備が進行中。年度末の植樹を予定しているが、新たに植える本数は未定となっている。「充分な栄養が届くように、桜などの大きな木は10mほど間隔を空けて植える必要がある。そのため、植栽を終えてもピーク時の50本には届かない予定」と担当者は話している。
また、目標を上回った分の支援金に関しては「具体的な使い道は未定だが、支援してくださった方々の思いに応えられるように調整していく」と方針を語った。