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ゴミ収集車の連携プレーを強化!人手不足の対策なるか

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きょうはゴミ収集のお話です。家庭や飲食店から出たゴミ、週に何度か作業員の方が来てくれますが、ゴミ回収の大変さを軽減するある実験が、埼玉県・春日部市で、10月15日(火)から行われるそうです。

それぞれの車の位置がわかる

どういうものか?春日部市役所のリサイクル衛生課、井上 僚さんのお話。

春日部市役所・リサイクル衛生課 井上 僚さん

現在は、集積所の位置を全て「紙地図」で管理してまして、FAXや電話ですとか、メールでの問い合わせの対応をしているんです。これ実際、市民の方から問い合わせをいただくです。「もう行ってしまったかしら?まだ来てくれるかしら?」っていう問い合わせもいただいたりするんですけど、その場でお答えができなくて、なにせ紙なものですから。一度折り返しにさせていただいて、まずこちらから事業者さんの事務員の方に連絡を取って、事務員の方からさらに現場の作業員の方に、回収したか・していないかっていうのを確認していただくので、結構お待ちいただく時間が長くなっています。

今回、実証実験はですね、ゴミ収集車1台1台に「タブレット」を搭載いたしまして、その位置情報と共にその場で、どのぐらい回ったかっていうことが、それぞれの車両でわかるようになるので、例えば「8時30分にここは回収済み」ということが、お伝えできるようになります。

<イメージ>

ゴミ収集車は「紙の地図」を使っている自治体がいまだに多いそうですが、今回、「パナソニックITS」という会社が開発した「収集しマース」というシステムを導入。専用のタブレットに地図が表示されて、それぞれの車の動きがリアルタイムでわかるようになっています。

さらに、ごみ置き場が「赤い丸」で示されていて、車が近づいて速度を落とすと、自動で「回収済み」と認識されて、マークが緑色に切り替わります。

さらに、AIが、より最適なルートを提案してくれるので、まだ作業に慣れていない新人でも、タブレットを見ながら、効率的に回ることができるということで、井上さんも期待を寄せていました。

連携プレーが可能になって、焼却場の往復を減らせる

そして実は、すでに同様の技術を、いち早く導入している自治体もあるんです。それは神奈川県座間市。こちらは、「小田急電鉄」が開発した「WOOMS(ウームス)」というアプリ使っていますが、効果は出ているのか?座間市クリーンセンターの、小松田 裕さんに伺いました。

座間市クリーンセンター 小松田 裕さん

そうですね、今のところかなりの効果が出ていると思っています。

回収時間というよりは、搬入の回数が減りました、焼却場に持って行く回数ですね。座間市の場合ですと、焼却施設というのが片道で12キロぐらい離れてますので、1回往復すると1時間15分とかかかってしまう距離に焼却所があるので、その往復を減らすっていうのが、かなりの効率化になる。

例えば自分のコースが終わっていれば、まだ詰めるけど焼却場に向かっていたものが、全員がリアルタイムで状況を把握できているので、各収集員の判断で遅れてるところに支援に入ったり、っていうのができるようになりました。

例えば、こっちからもこっちからも来てるから、じゃあ大きいマンションの先取ろうかなとか、そういうお互い見て判断できるっていうところが、すごいところです。

収集車同士で位置情報を共有できるので、連携プレーが可能になります。

どういうことかというと、座間市では収集車1台あたり、およそ110か所の集積所を回るんですが、ゴミは毎回、出る量が違うので、「今日はAチームはスカスカだったけど、Bチームはパンパンで、特定の車だけ何度も焼却場を往復して、全体の作業時間が延びてしまった…」なんてことが珍しくないそうです。ただ、このシステムを使えば、お互いの動きがわかるので、今日少ない車が、今日多い車を、簡単に助けにいくことができるんです。

さらに、座間市では車に余裕ができた分、これまで「燃えるごみ」として回収していたお庭の草や枝を、「資源ごみ」として別枠で回収する余裕も生まれて、その結果燃えるごみの量を15%減らすことに成功しました。

高齢化+分別の細分化によって、ゴミ収集の現場は大変!

小田急電鉄の「WOOMS」は、東京都では現在、大田区でも導入していて、こうしたシステムは今後さらに広がっていきそうですが、開発した小田急電鉄の正木 弾さんは、なぜ自治体がこれほどまでにゴミの回収に力を入れているのか、そこには、避けられない事情があると教えてくれました。

小田急電鉄株式会社・デジタル事業創造部 正木 弾さん

地域によってはですね、座間市さんもやってますが、「ふれあい収集」をやっている自治体さんも増えています。これはですね高齢者の方で、集積所までゴミを持って行けないという方のゴミをですね、収集の職員が自宅まで行って、ピンポンを押してですね受け取るというサービスを導入しています。

ただ一方で、収集運搬のお仕事とすると、国がプラスチックのリサイクルを進めていきましょうということでやってます。で、リサイクルをするとどうなるかっていうとですね、とてもたくさん分別しながら運んでいくことが必要になりますので、リサイクルをすればするほど、車が、人が必要になっていくってことになってしまいます。

まさにですね、人手不足がとても深刻化していて、ゴミを運ぶ人たちが不足していくということから、私どもこのビジネスに取り組んでいるということです。

人口は減っているのに、高齢化などでゴミの回収拠点が増えていることに加えて、ゴミの分別も細分化されてきていることによって、現場の負担が増えています。さらにこの状況で、「作業員の人手不足」も追い打ちをかけているため、より効率的な回収が求められていますが、今の生活を守るには、こうしたデジタルのサービスが欠かせない時代になってきているようです。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:田中ひとみ)

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