しあわせを呼ぶコンサート 障害者ら「第九」を合唱 5年ぶりオーケストラと
障害の垣根を越えてベートーベンの「第九」を言語のドイツ語で合唱する「しあわせを呼ぶコンサート」が9月11日(水)、宮前区市民館大ホールで開催される。差し迫った本番に向け、区内の障害者福祉施設「いぬくら」では8月30日、利用者らが合唱指導者を交えた最後の練習に励んだ。
コンサートは、障害の有無にかかわらず、一緒に音楽を楽しむことで互いの理解を深め合うことが目的。宮前区役所が主催し今回が22回目となる。当日は区内の障害者施設や作業所の利用者ら約120人が舞台に立ち、第九のほか、アニメの主題歌「夢をかなえてドラえもん」や、歌手の竹内まりやさんの「いのちの歌」を披露する。今年は5年ぶりにオーケストラと共演する。
語呂で覚えやすく
出演者らはこれまで、音楽家の指導を受け、施設においても作業中に曲を流してメロディーや歌詞を覚えようと練習を重ねてきた。いぬくらでは本番前最後の練習が行われ、10人の利用者が参加。指導する音楽家の寺澤直樹さん(67)と一緒に披露する3曲を通して歌った。
第九の歌詞カードにはドイツ語読みのほかに、日本語の語呂が記されるなど、覚えやすいように工夫がされている。歌い出しの「フロイデフロイデ」は「風呂で風呂で」といった具合だ。寺澤さんは「ドイツ語の発音は難しいので語呂は覚えやすい。音楽を楽しんでほしい」という。
練習に参加した藤森希巳江さん(53)は「みんなで歌うのは楽しい。初めて参加するコンサートなので、緊張せず普段通りに歌いたい」と笑顔。ラジオでドイツ語や英語を聞いて発音の練習をしているという志太博之さん(63)は「ドイツ語の巻き舌の発音を披露したい。本番が待ち遠しい」と話した。
コンサートは合唱のほか、第2部では、オーケストラが「愛の喜び」(クライスラー)など4曲を演奏。オペラ歌手による歌のステージも行われる。午後1時30分から3時30分。観覧は先着800人。