上越市が無料の「こどもプール」12か所一斉廃止 少子化で利用者大幅減
新潟県上越市は市内に12か所ある無料で利用できる「こどもプール」を、本年度で廃止する。少子化などで20年前と比べ利用者が9割減少していることや、屋外プールのため熱中症のリスクなどが理由。2024年10月から、施設のある5区の地域協議会に順次、廃止について報告している。
《画像:上稲田公園(稲田4)のこどもプール》
こどもプールは1980年から1990年にかけて旧上越市内12か所の都市公園内に設置されたプールで、幼児用プールと児童用プール、シャワーや更衣室もあり利用料は無料。監視員もおり、こぢんまりとしながらも、身近な公園内で気軽に利用できるプールとして、子育て世帯や保育園、夏休み中の小学生などに長年利用されてきた。
管理する都市整備課によると、建設から30〜40年が経過して老朽化も進んでいるほか、事故防止のため有資格の監視員を配置するなど、修繕費や管理業務の委託費などが増加しており、全体の運営費は年間約2000万円。一方、利用者は2000年には夏の2か月間の開設で子どもと付き添いの大人を含め約3万7000人だったが、2024年度は25日間の開設で約5000人だった。2018年度からは熱中症対策として、気温が35度以上の場合は利用中止にしており、記録的猛暑に見舞われた2023年度は11日間しか開設できなかった。水深が浅いため水温が高くなりやすく、水質面でも猛暑の影響を受けるという。
《画像:春日新田公園のこどもプール(春日新田5)》
市は本年度に入って廃止を決定し、開設中の8月中旬に各プール入口に運営終了の「お知らせ」を掲示した。
10月15日に開かれた直江津区地域協議会では、委員から「リスクの話ばかり前面に出て、子育て世帯へのサービス低下にならないか」「一斉に廃止ではなく、地区に一つくらい残せないか」などの意見が出た。都市整備課の担当者は「幼児や児童が水に親しむ大事な施設ではあるが、安全面などから苦渋の決断をした」と理解を求めた。
《画像:こどもプールに設置された「運営終了のお知らせ」》
2026年度以降に順次、プール設備を撤去する予定で、跡地の活用について地元町内会と検討していくという。
【廃止となるこどもプール】
柳善公園(東城町2)、お馬出し公園(大町2)、中島公園(北城町3)、大野公園(高土町2)、新町公園(新町)、上稲田公園(稲田4)、いちょう公園(昭和町1)、古城公園(港町1)、とどろき公園(栄町1)、毘沙門公園(五智1)、桐ノ木公園(佐内町)、春日新田公園(春日新田5)
こどもプール - 上越市ホームページ( https://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/toshiseibi/kodomopool.html )