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小さな雑魚で作るほど美味しくなる「浜鍋」のススメ ブイヤベースも浜鍋の一種?

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(提供:茸本朗)

簡単ながらとても美味しい魚料理「浜鍋」。そのコツは「雑魚で作る」こと!?

豪快かつ美味な漁師料理「浜鍋」

寒くなってくると美味しくなるのが鍋料理。魚を使って作る鍋料理も数多くありますが、今回はそのひとつ「浜鍋」をご紹介します。

浜鍋はその名の通り「浜で水揚げされたばかりの魚で作られる鍋」で、新鮮な魚が欠かせません。これをぶつ切りにして水と酒で煮込み、野菜と海藻を入れて味噌を溶けば完成です。

浜鍋作り(提供:茸本朗)

作り方や完成品は具沢山の味噌汁という感じですが、濃厚でコクのある贅沢な味わいが楽しめます。

雑魚で作った方が美味しい!

この浜鍋、どんな魚で作ってもある程度美味しく食べることができますが、より美味しくするためには一つコツがあります。それは「雑魚を使う」こと。

この料理は「魚から出る出汁」が大きく味を左右します。大きく高価な魚を1匹分使うより、小さく雑多な魚をたくさん入れたほうがより濃厚な出汁が出るため、美味しく仕上がるのです。

浜鍋(提供:茸本朗)

特にカサゴやメバル、カジカなどの「根魚」と呼ばれる魚たちを使うと、黄金色の美しい出汁が出て鍋の味が極めてよくなります。

ブイヤベースも浜鍋の仲間

「雑魚の出汁で具材を煮る」という料理は、世界に少なからずあります。その中で最も有名なものはおそらく「ブイヤベース」でしょう。

ブイヤベース(提供:PhotoAC)

フレンチの高級料理として知られるブイヤベースですが、これはまるごとの雑魚を白ワインと野菜と一緒に煮て作る「スープドポワソン」というスープで、魚の切り身などを煮込んだものです。作り方はまさに浜鍋そっくりと言えるでしょう。

浜鍋同様、このブイヤベースも元々は、漁師が売れない雑魚を自家消費するために作っていた家庭料理だったと言われています。もしかしたら浜鍋もいつの日か高級料理の仲間入りをするかもしれません。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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