アイスランドが変わった日 どんな立場の人も納得できた「女性の休日」そのわけは? 札幌で公開中
オーロラや雄大な自然、そしてジェンダー平等の国として知られる北欧のアイスランド。
50年前、リアルに女性の9割が参加した「女性の休日」を知っていますか?このドキュメンタリーが札幌で公開されています。
映画「女性の休日」より(C) 2024 Other Noises and Krumma Films.
自分たちがいなければ、会社も家も立ち行かないということを「休むこと」で示したもので、まさに「女性の休日」。
登場人物は職場や家庭での男女格差や差別に憤った女性たち。船の上、新聞社、農業、銀行、本当にいろいろな職業に及び、職業の有無も問わず、一斉に家事や仕事をしない、ストライキを決行したのです。
この歴史的な一日をドキュメンタリー映画「女性の休日」(パメラ・ホーガン監督)は丁寧に証言の積み重ねで描いています。
映画「女性の休日」より(C) 2024 Other Noises and Krumma Films.
新聞社では女性は記者になれない。
銀行では新人の男性たちがみるみるうちに給料も追い抜いていく。
農家は女性は男性が亡くなった場合のみしか、組合に入れない。政治の話に入っても無視される。
世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数ランキングで16年連続1位のアイスランド(日本は今年118位)。1970年代までの状況は今の様子が想像できないくらい。国連が「国際婦人年」と宣言した1975年。日本は何をしていたのだろうかと思う・・・。
1975年6月にアイスランドの各地からおよそ300人の女性が集まり、女性会議。格差を解消するためには、どうすればいいのかを話し合った末にその年の10月24日に一斉に仕事や家事を休む、事実上のストをしようと。
でもストじゃなくて、休日。何かすごいことをしようとするとやっぱり反対勢力が出てくるもので、ちょっと妥協が必要なところをやわらかく、するっとやり抜けてたことも成功した秘密なんじゃないかと思う次第。
できないよ、とバカにしていた男性たち。でも本気の女性たちの熱は帯びていき、SNSのない時代なのにどんどん広がっていく。新聞社では、一面にするから出社してくれ、、と男性が。ホントはそれも納得はいかないけど、一面で報道したほうがいいのでは、とちょっと妥協して交渉成立。この辺も本当に面白い。
映画「女性の休日」より(C) 2024 Other Noises and Krumma Films.
当日の首都、レイキャビクの広場の映像は圧巻。2万5千人が集まって、みんなで歌い、さらに来られなかったひとも各地で集う。船の上でも女性たちが部屋に集まり、外に出ないと宣言して、代わりに私たちも船の上から参加している、一緒だ!と電報を打つことを要求していたというのです。9割が参加するってすごい。
男性たちは集まって、こどもを会社につれてきて、慣れない育児。子ども向け番組を会議室で見せていたというアニメーションが印象的でした。
アイスランドで初めて大統領になった女性や現在の大統領もストを体感したひとりとして証言。農協に入れて幹部になった女性などその変遷が丁寧にわかり、変わる、変えるという動きがいまも継続していることもわかりました。
誰もが生きやすい世の中に。
気づきの多い映画で札幌のシアターキノでも連日人気です。(28日まで)
地域で見られないよ、という方は、絵本も出されているそうです。
なんか変わらない日本。
でも何かを変えたい!と各地で映画を見たり絵本を読んだりして語り合う会も開かれています。#女性の休日 で探してみてください。
変わる待ち、、じゃなくて一緒に変える何かをしていきたい、と勇気をもらえる作品でした。
11月15日(土)より、シアターキノで上映中 (~28日まで)
映画『女性の休日』オフィシャル・サイト
⇒ https://kinologue.com/wdayoff/
監督:パメラ・ホーガン
出演:ヴィグディス・フィンボガドッティル、グズルン・エルレンズドッティル、アウグスタ・ソルケルスドッティル 他
エンドクレジットソング:ビョーク
2024年/アイスランド・アメリカ/アイスランド語・英語/71分/原題:The Day Iceland Stood Still
後援:アイスランド大使館
提供・配給:kinologue
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