【廃棄物処理×eスポーツで社会課題に挑む】遠隔操作ロボットを活用した「Eco Catcher Battle」が新潟で初開催(新潟市中央区)
「Eco Catcher Battle」を開催したNCC新潟コンピュータ専門学校の「NSG esportsスタジアム」(新潟市中央区)
廃棄物処理とeスポーツを掛け合わせたゲームイベント「Eco Catcher Battle」が11月23日、NCC新潟コンピュータ専門学校(新潟市中央区)で開催された。このイベントでは、参加者がタブレット画面で操作したとおりに遠隔地にある実際のゴミ分別ロボットが動くという、新しい形式のeスポーツが展開された。
このイベントには、新潟市、長野市、そしてフィリピン・ケソン市から3チームが参加した。廃棄物処理の人手不足解消とエコ意識の啓発という社会課題に、最新技術で挑む試みとして実施された。会場に訪れた観客や各チームの応援団たちが見守るなか、熱い対戦を繰り広げた。
主催は、新潟県上越市の廃棄物処理企業ウエノテックスの子会社であるRita Technology株式会社(東京都)と、シンガポールのweb3エンターテインメント企業Digital Entertainment Asset。両社は、AI搭載ゴミ選別ロボット「URANOS」の技術を活用し、eスポーツとして楽しみながら実践的なゴミ分別スキルが身につく仕組みを共同開発した。なお、ゲーム開発にゲーミフィケーション事業を手掛ける株式会社OGIX(東京都)が手掛けた。
タブレット端末でゲームを操作する「Eco Catcher Battle」、画面上部から流れてくるゴミを分別することで得点が加算される
ゲーム内の操作に連動して実際のゴミが分別されていく様子が映し出される
ゲームに挑戦する新潟チーム5人
「Eco Catcher Battle」は1チーム5人編成。小学生から高齢者、障害者などがチームとなり出場した。プレイヤーは画面上に流れるコンベア上のゴミを素早く判断し、ペットボトル、缶、プラスチック、リチウムイオン電池の4種類に分別していく。1人2分の持ち時間の中で、いかに早く、正確に分別できるかを競う。その操作は上越市のウエノテックスの試験場にある実機とリアルタイムで連動し、プレイヤーの判断が実際の産業用ロボットの動きとなって現れる。
「あ!間違えた!!」「リチウム電池が取れた!」「どんどん早くなってきた!」「ナイスピック!」。会場からは声援や悔しがる声が交互に響く。新潟市チームの小学生プレイヤーは、「分別するのが難しかったけれど、とても楽しかった」と笑顔で語った。フィリピン・ケソン市チームからの参加者は「母国でもゴミ分別は課題。このゲームなら楽しみながら学べる」と手応えを口にした。
熱戦を見守る観客の様子
3会場をオンラインで繋いで声をかけあって交流する場面が見られた
実況はフリーアナウンサーの廣川明美氏が担当。「ペットボトルをキャッチ!素晴らしい速さです!」という実況に合わせ、会場の観客らは拍手で応援した。イベントの模様は後日、お笑いコンビ・マシンガンズ滝沢氏の解説付きで動画配信される予定だ。
Rita Technologyの上野光陽代表取締役は開会のあいさつで、「この大会はリサイクルの促進、廃棄物処理業者における労働者不足の解消、そして多様な方々の働く場の提供を目指していく。そんな未来につながる大会にしたい」と語った。
来賓で訪れた新潟県議会の楡井辰雄議員は、「よくぞこのリサイクルと、障害を持っている方や世界の人とのゲームすることを、発想したことに先ずびっくりした。これが仕事を含めてこれから主流になっていけば素晴らしいと思う」と述べた。
このイベントには、NSGグループや産業廃棄物処理事業振興財団の後援も得ており、環境教育と地域産業の発展を結びつける新たな取り組みとして、さらなる広がりや発展に期待が高まる。
Rita Technology株式会社(東京都)の上野光陽代表取締役
Digital Entertainment Asset(DEA社、)共同創業者兼共同CEOの山田耕三氏
新潟県議会の楡井辰雄議員