子猫の添い寝、留守番、マタタビ…『デビュー』はいつ?4つの項目を解説
子猫の「いつからできる?」を総まとめ!
「いつから一緒に寝ていい?」「お留守番はいつから?」──子猫を迎えたばかりの飼い主さんにとって、こうした“はじめて”のタイミングはとても気になるポイントですよね。
ここでは、子猫の成長段階に合わせた適切なデビュー時期を、行動ごとに詳しく解説していきます。
1.添い寝は「生後4ヵ月以降」がおすすめ
子猫と一緒に寝るのは夢のような時間ですが、生後4ヵ月未満の時期はまだ避けたほうが安心です。その理由は、子猫がまだ自律神経や体温調整の機能が未熟で、環境変化に弱いためです。特に、飼い主の布団の中は温度がこもりやすく、熱中症や脱水の原因になることもあります。
また、寝返りをうった拍子に子猫を圧迫してしまう事故も少なくありません。寝ている間の無意識な動きがリスクになるため、「一緒に寝るのはもう少し先」と考えておくのがベターです。
生後4ヵ月を過ぎ、体格も安定してくれば、徐々に添い寝を検討してもよいでしょう。ただし、その際も寝室の安全対策(高いところから落ちないようにする、コード類を片付けるなど)をしっかり行いましょう。
ただし、発育には個体差があり、生後4か月でも体格の小さくまだまだ未熟な猫ちゃんもいます。
また、寝るスペースによっては飼い主さんが容易に押しつぶせてしまえる距離感で眠ることになり、どんな大きさになっても猫に対して落ち着いて眠れないなどのストレスを与えてしまうことになる危険性もあります。環境や猫の性格を見て可能かどうか総合的に判断すると良いでしょう。
2.お留守番は「生後6ヵ月」くらいが目安
お留守番のデビューは、生後6ヵ月を過ぎてからが理想的です。この頃になると、子猫自身がトイレや食事をひとりでこなせるようになり、生活リズムも安定してきます。
低血糖予防のために頻回で与えていたご飯も、このころから1日2回程度で落ち着いてくる傾向があるでしょう。
とはいえ、いきなり長時間の留守番はストレスになってしまうこともあります。まずは10〜15分の外出からスタートして、少しずつ時間を延ばして慣れさせるのがポイントです。
また、安心して過ごせるように、お気に入りのブランケットやおもちゃを置いておく、静かな環境を整えるなどの工夫も大切です。見守りカメラを設置するのも、不安軽減に役立ちます。
月齢が大きくなっても猫は好奇心旺盛な生き物です。よほど物が少ない環境でなければケージから放した状態でのお留守番はおすすめできません。広めのケージ内での留守番をおすすめします。
3.マタタビは「1歳以降」まで控えよう
「マタタビをあげたらゴロゴロし始めて…」といった光景はよく見かけますが、子猫にはまだ早すぎます。マタタビは猫の嗅覚と神経を強く刺激するため、子猫の発育段階で与えると、神経過敏や体調不良を招く可能性があるのです。
特に、生後半年未満ではマタタビに反応すらしない子も多く、個体差が大きいのも特徴です。専門家の間では、安全に楽しめるのは1歳以降が目安とされています。
どうしても与えたい場合は、少量からスタートし、様子をよく観察するようにしましょう。なお、マタタビに全く興味を示さない子もいるため、「うちの子はマタタビ体質じゃないかも」と気楽に考えるのもひとつです。
4.お風呂は基本的に「不要」だが、必要なら生後4ヵ月以降
猫はもともとグルーミング(毛づくろい)で清潔を保てる動物です。そのため、基本的にはお風呂に入れる必要はありません。しかし、保護したての子猫で体がひどく汚れている場合などは、例外的に洗ってあげる必要が出てきます。
その際の目安は、もしどうしてもするのであれば生後4ヵ月以降。この時期になれば、体温調整機能がある程度発達し、短時間の入浴に耐えられるようになります。ワクチンも完了して免疫機能が幼若な頃と比較すると猫風邪などが悪化しづらくなる可能性も高いです。
もし洗うのであれば必ずぬるま湯(38℃前後)で素早く洗い、暖かい部屋で体温が下がらぬようしっかりタオルドライとドライヤーで冷やさないようにすることが大切です。
また、石鹸や人間用シャンプーは絶対に使用せず、ペット専用の低刺激シャンプーを使用しましょう。心配な場合は、動物病院やトリミングサービスを活用するのもひとつの手です。
お風呂が苦手な猫も多いため、洗い流す必要のないタオルタイプのシャンプーでのふき取りで済ませることも対策の一つです。
子猫の成長ペースはみんなちがうからこそ、大切にしたいこと
子猫の「デビュー時期」は、目安こそあれど個体差がとても大きいものです。「同じ月齢なのに、ほかの子はもう添い寝してるのに…」と、比べて不安になってしまう飼い主さんも多いはずです。
でも、焦る必要はありません。むしろ無理なステップアップは、子猫にとって大きなストレスになることもあります。大切なのは、“その子なりのペース”をしっかり観察して、無理のない範囲で一歩ずつ慣らしていくことです。
もし「タイミングがわからない」「この行動は大丈夫かな?」と悩んだときは、動物病院や保護団体に相談するのもおすすめです。成長には不安がつきものですが、周囲の力を借りながら育てていくのが猫育ての醍醐味でもあります。
まとめ
子猫との暮らしは、初めてのことだらけ。添い寝やお留守番、マタタビやお風呂といった“デビュー”には、それぞれ適した時期がありますが、最も大切なのは月齢だけで判断しないことです。
その子の体調や性格、日々の様子をしっかり観察して、無理なくステップアップしていく姿勢がなにより大事。もし不安や疑問があれば、ひとりで抱え込まず、獣医さんや保護団体など信頼できる人に相談してみてください。
焦らずゆっくり、その子のペースに寄り添いながら過ごす毎日が、かけがえのない信頼関係を育んでくれますよ。
(獣医師監修:葛野莉奈)