【盗難対策、あなたの愛車は大丈夫?】恐ろしい最新手口と対策をプロが伝授
トヨタ&レクサス車が盗難に遭いやすい!?
全国で愛車の盗難被害が多発しています。今回は愛車の盗難被害を未然に防ぐカーセキュリティーについて「鉄崎幹人のWASABI」パーソナリティーの鉄崎幹人、太田明里が「Trimshop プロテクタ静岡」の店長・藤田幸次さんに聞きました。
<目次>
1. 2〜3分で盗まれる新手口「CANインベーダー」
2. スマートキーが発する電波でロックを解除する「リレーアタック」
3. 最新手口!自動車窃盗ツール「GAME BOY(ゲームボーイ)」とは?
4. 誰でも簡単にできる盗難対策は?
鉄崎:まず始めにトリムショッププロテクタ静岡はどんなお店ですか。
藤田:カーセキュリティー専門店として2005年にオープンし、ドラレコなどの取り付けや要望に合わせて提案・製作を行うカーオーディオやカーラッピング、カーコーティングなどの施工を行っています。
太田:そもそもカーセキュリティーとは何ですか。
藤田:盗難や車上荒らしなど異常が発生した場合に音や光で警告や警報を発したり、離れた場所にいる車のオーナーに異常を知らせるなど愛車を守るために必要な自動車盗難防止装置のことです。
鉄崎:やはりレクサスやアルファード、ランドクルーザーなど高級車が被害に遭うことが多いですか。
藤田:日本損害保険協会が発表した2023年の車名別盗難状況ランキングでは、1位ランドクルーザー、2位アルファード、3位プリウス。そして4位レクサスLX、5位ハイエース、6位クラウン、7位ヴェルファイア、8位レクサスRX、9位にハリアーとメルセデス・ベンツです。上位10車種中9車種がトヨタとレクサス車なんです。
太田:へぇー。
鉄崎:地域別で見ると、僕の地元の愛知県での盗難が多いですよね?
藤田:はい。全国で一番多いです。神奈川県も盗難が多く、2県に挟まれた静岡県も車の盗難が多い状況です。
2〜3分で盗まれる新手口「CANインベーダー」
鉄崎:最近盗難の被害で耳にする「CAN(キャン)インベーダー」について教えてください。
藤田:モバイルバッテリーくらいの大きさの機械を車に接続して「CAN」と呼ばれる制御システムに侵入します。制御システムで車のコンピューターを騙すことでドアロックを解除してエンジンを始動させて車を盗む手口です。車に手を突っ込んでCANインベーダーをつないでシステムに入るとドアが簡単に開くので、そのまま車で逃げられてしまいます。2〜3分と短時間で盗まれてしまうので注意が必要です。
鉄崎:気付いた時には近くに車がないんですね。未然に防ぐ方法は。
藤田:タイヤロックやハンドルロック、シフトレバーのロックなどカー用品を使った物理的な対策は乗り降りがしにくくなりますが、窃盗を目論む犯人に面倒な車だと思わせることができ、有効です。
鉄崎:なるほど。
藤田:ちなみに盗難の多くは屋外の契約駐車場で起こっています。ですから、人目に付きやすい所に停める、シャッターがある屋内駐車場を利用することも対策になります。長時間駐車している車もターゲットになりやすいので注意してください。
スマートキーが発する電波でロックを解除する「リレーアタック」
藤田:次に盗難の手口のひとつに「リレーアタック」があります。2015年ぐらいから世界中で多発しています。キーレスのスマートキーが出している微弱電波をキャッチし、その電波を増幅して車まで飛ばすことでドアの解錠とエンジン始動を行います。
これはスマートキーを持って車の近くにいる状態を装置で再現しているのでドアハンドル操作でのアンロックとプッシュスタートで盗んでいきます。対策として電磁波を遮断する缶タイプのケースに鍵を入れることで未然に防げますが、対策が進んでいるので徐々に主流ではなくなっています。
最新手口!自動車窃盗ツール「GAME BOY(ゲームボーイ)」とは?
また正式名称が「キーエミュレーター」、通称ゲームボーイと呼ばれる最新手口もあります。なじみのある携帯ゲーム機に見た目が似ていることからこう呼ばれ、車がスマートキーの所在を確認しに行く電波から、スマートキーのコードを解析し、スマートキーになりすまして、アンロック、エンジン始動を行う手口です。犯人が車に近づいて数十秒〜1分程度でエンジンがかかってしまいます。
鉄崎:これは怖い。セキュリティーがいとも簡単に解除されちゃうんですね。
誰でも簡単にできる盗難対策は?
太田:誰でもできる簡単な対策を教えてください。
藤田:駐車監視機能が付いたドライブレコーダーがあると抑止効果が期待できます。前後に加えて、横方向も撮影できるものがおすすめです。合わせて、物理的なロックや警報機を付けると一定の効果が期待できます。
鉄崎:プロに取り付けてもらうアイテムには他にどんな商品がありますか。
藤田:鍵やスマートキーを自分で持っていたとしても、セキュリティーの警戒を解除しない限りエンジンをかけさせない機能があるもの、不審者やガラスなどへの衝撃を検知して警告・警報を発するものなど、さまざまあります。防犯で大事なことは誤警告や誤警報をさせずに、必要な時にしっかり威嚇や警報をすることです。一人ひとりに合わせて提案をするのでぜひ気軽にご相談ください。
鉄崎:備えあれば憂いなしですね。今日はありがとうございました。
※2024年10月24日にSBSラジオWASABIで放送したものを編集しています。