猫は体調不良のときも『喉を鳴らす』って本当?危険な場合の見分け方3つ
猫がゴロゴロと喉を鳴らす主な理由としては、リラックスしているときやご機嫌なとき、飼い主さんへ何かを伝えたいときだといわれています。気持ちよさそうに喉を鳴らしている姿を見ると、飼い主さんとしても嬉しいですよね!
ただ、ポジティブな意味合いだけでなく、体調が悪いときやストレスを感じているときの兆候として喉を鳴らしている場合もあります。今回は、そんな飼い猫のサインを見分けるポイントについてご紹介していきます。
1.ゴロゴロ音の高低差
ご機嫌なときやリラックスしている時に出すゴロゴロ音は、中低音といわれています。子猫の場合は、生後2日から1週間程度経つとゴロゴロ音を出せるようになり、母猫とじゃれているときやおっぱいを飲むときによく中低音で喉を鳴らすようです。
また、何かを伝えたいときや甘えているときは高音で喉を鳴らします。これは、赤ちゃんが泣く声の周波数と似ているといわれ、飼い主さんが少し焦りを覚えるような音域のようです。
そして、危険のサインである体調不良や苦しさを訴える場合には、低音で喉を鳴らします。出産時に鳴らすこともあるようですが、怯えや痛みを感じていたり、命の危機が迫っているときにも低音で鳴らすといわれています。
日頃からゴロゴロ音を注意深く聞きながら、いつもより低音の場合には、様子を見ながら病院を受診することをおすすめします。
2.呼吸の速さの違い
上記ではゴロゴロ音の音域によって見分ける方法をご紹介しましたが、猫が喉を鳴らしながらとる行動によって病気のサインを見分けることもできます。
たとえば、呼吸が速くなっている場合には、喘息や肺炎の可能性が考えられます。苦しそうに時々咳き込んでいたり、ぐったりしているなど、喉を鳴らしていたとしても普段と違う症状が出ている場合には注意が必要です。
3.特定の場所を舐めている
『猫のゴロゴロ音は治癒促進効果や痛みを和らげる効果がある』といわれていて、自分を落ち着かせるために喉を鳴らしていることもあるようです。このことから、一か所を集中的に舐めながら喉をならしている場合には、その場所に痛みを感じていたり、なんらかの病気が隠れている可能性があります。
いつもより食欲がない、元気がないなどの症状も併せてみられる際には、動物病院を受診してみましょう。
まとめ
猫のゴロゴロ音は低周波と呼ばれ、猫のみならず人間にとっても自律神経やホルモンバランスを整える効果があるといわれています。愛猫と暮らしているだけでも幸福感がありますが、ゴロゴロ音を聞くことでさらに癒されるという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫が喉を鳴らす音は、不安を和らげたりストレスを軽減する意味で大きな力を発揮し、免疫力や自然治癒力を高めることから『副作用のない薬』とも呼ばれ、フランスでは「ゴロゴロセラピー」として医療現場で取り入れられている例もあるようです。
今回ご紹介したような、猫が「喉を鳴らす」ことの危険な場合の見分け方をじゅうぶん理解した上で、愛猫の体調不調にすみやかに気付いて守ってあげられるようにしたいですね。
(獣医師監修:平松育子)