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絶滅したと思われていた「生きている化石」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

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絶滅したと思われていた「生きている化石」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

メタセコイア

絶滅したと思われていた「生きている化石」

メタセコイアは日本ではアケボノスギとも呼ばれているスギ科の針葉樹です。日本各地に並木があるので、見たことがある人も多いでしょう。どうしてこの本に登場するのか不思議に思われるかもしれません。

メタセコイアは、同じ針葉樹であるセコイアと似ています。しかし、1941年に植物学者の三木茂博士の研究により親属新種ということがわかりました。

「新生代新第三紀のセコイアに似た新種」として論文が発表された、化石でのみ知られた〝絶滅した(はずの)〟植物だったのです。

ところが1946年になって中国で自生していることがわかり、「生きている化石」として、多くの専門家を驚かせました。その後、貴重な種を保存しようという動きがはじまり、かつてメタセコイアが分布していた日本に挿し木や種が送られ、全国各地に植えられます。わたしたちが見かける並木はその成果なのです。

化石としてのメタセコイアは中生代の白亜紀後期から新生代の第四紀更新世(約258万年前から約1万年前)という非常に長い間、アジアと北アメリカなどに広く分布した植物でした。

新生代始新世中期の日本は、いまでいう熱帯地方のような温暖で湿気の多い気候で、各地にメタセコイアの森が広がっていました。しかし、次第に地球全体が寒くなるにつれて、メタセコイアは姿を消していったのです。

針葉樹にしてはめずらしく、冬になると枝と葉が一緒に落葉するのが特徴です。

ちなみに「メタ」は「少し変わった」という意味で使われています。

メタセコイアは絶滅したはずの植物の代表格

メタセコイア
中生代白亜紀~現在
裸子植物類 球果類
高さ30メートル

メタセコイアの木、球顆(松ぼっくり)、落葉した葉。メタセコイアは樹形が三角形になるのが特徴。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之

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