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海外4か国を渡り歩いたテクニシャン・中島翔哉選手は、なぜ小柄でも活躍できるのか?

サカイク

2023年7月に浦和入りした中島翔哉選手。東京ヴェルディのアカデミーで育ち、中学時代からブラジル留学に赴くなど、早いうちから国際感覚を養う機会に恵まれました。U-17W杯、リオ五輪でも活躍。日本代表でも10番を背負うなど、異彩を放ってきました。

所属クラブに目を向けても、ポルトガルのポルティモネンセとFCポルト、カタールのアルドゥハイル、UAEのアルアイン、トルコのアンタルヤスポルと4か国を渡り歩き、異国での数多くの経験値を積み重ねてきました。

国内外での経験豊富な中島選手に、それぞれの環境で活躍するために大事なことをうかがってみたのでご覧ください。
(取材・文:元川悦子 写真:兼子愼一郎)

 

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中島翔哉選手が語る国内外で活躍するために大事なこと(兼子愼一郎)

 

 

■大きい選手を「相手にしない」

「僕は最初から最後まで海外には適応していません(笑)。ただ、国によって人々の性格やサッカースタイルは違うので、そういうのを理解するのは大事かもしれませんね。

中学生でブラジルに行った時は、大きくて強くて速い選手が沢山いました。年上と試合をしたというのもありますけど、それは強く感じました。

自分が小さいことも分かっていましたけど、『自分が小さい』とはあまり思っていなかったかな。僕の話は参考にはならないかもしれないけど、大事なのは『相手にしないこと』じゃないですかね」

と中島選手は独特の言い回しでフィジカル差を克服する術を語りました。

 

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■「なぜ」を考えて探求するのがおもしろい

とりわけ、アルアインに在籍した2021年に足首の大ケガを負ってからは、体の使い方や日常の所作などを見つめ直しているといいます。

「相手と同じことをやっていたらダメで、不安定を受け入れるというのかな......。自分の体のいい状態というのを探るために、今はチームメートの牲川(歩見)に手伝ってもらって、実験しています。

牲川は身長が195センチ、体重も90キロもあって、世界でもそこまでデカい人は滅多にいない。そういう選手に負けないためには、まずムダな動きをなくして速くするという感じですかね。やっぱり"日常の所作"が一番大事なんです。

僕自身も以前は、細かく速く動いて俊敏性を生かしてプレーしようとしていました。それって年齢を重ねたらできなくなるじゃないですか。ですけど、現実にはベテランになっても速い人はいる。それがなぜなのかなと考えて、探求するのが、すごく面白いんです」と中島選手は嬉しそうに話します。

 

■ピッチ外の日常の所作が大事 自分の体がどう動くか知るとサッカーの動きも変わる

彼が注目する"日常の所作"というのは、立ち方や立ち上がり方、歩き方など、誰もが当たり前に行っている動作。その人にとってのいい姿勢や動作が取れれば、優れたパフォーマンスにつながっていくということなのでしょう。

「トイレに座る姿勢を例に取ると、背筋をピンと伸ばして真っ直ぐ座っているわけではないですよね。学校で授業を受けていたり、朝礼で話を聞いているときもそう。その人の日常の動きが自然に出るのが一番だと思うんです。

それを知るために鏡を見ることもあります。僕が好きな江戸時代の侍は鏡を見て戦わないから、普段はやりませんけど、自分を客観的に見ることも大事なんで、ごくたまにはやりますね。

自分の体がどう動くかを知るだけで、サッカーの動きも変わってくるし、俊敏性も出てくる。若ければ若いほど癖は取りやすいでしょうから、自分なりに感覚を磨いていけばいいんじゃないかと思います」と中島選手はジュニア年代の選手に向けて、彼らしいアドバイスを送っていました。

「自分は小柄だから大柄な選手には太刀打ちできない」「頑張ってもダメ」と諦めがちな子どもたちもいるかもしれませんが、164センチの中島選手が大男たちを巧みにかわして、数多くのゴールチャンスを演出する姿を目の当たりにすれば、勇気や希望が湧いてくるはず。だからこそ、彼の言葉は大いに参考になるのです。

 

■ドリブルがうまくなりたいなら

「中島選手のようにドリブルがうまくなりたい」「自分もフィジカルに恵まれた選手をきりきり舞いさせたい」と願う選手も少なくないでしょう。野心溢れる子供たちに対し、彼はこんな助言も送っていました。

「ドリブルがうまくなりたいと思うなら、やっぱり身を任せることじゃないですかね。あとはなるべく最短距離で行くことかな。目の前のスペースが空いているなら思い切って行った方がいい。余計なものを入れないで、自分がやりたいようにやればいいんです。いろんな選手のプレーを見ることもヒントになるんじゃないですかね」

 

■自分の感性を大事にして

こう話す中島選手自身も、ヴェルディジュニアに通っていた頃は元ブラジル代表のロナウジーニョが大好きで、当時の永田雅一監督からバルセロナの映像を見せてもらっていたそうです。「ロナウジーニョが家でもボールをよく触っていた」という話を聞いて、彼自身もボールを抱いて寝ていたというほどの徹底ぶりだったといいます。

「ロナウジーニョの試合やフェイント集なんかはよく見ましたし、真似もしました。本当は何も見ないで自分の思う通りにやるのが一番いいとは思いますけど、『うまい選手のプレーを見て練習したい』という気持ちがあるならやればいい。自分の感性を大事にしてほしいですね」

中島選手は幼い頃から30歳になった現在に至るまで"サッカー小僧"のまま、ボールを追いかけてきました。そういったアグレッシブかつ貪欲な姿勢を持ち続けられるか否かが、成長への最重要ポイントなのです。彼の言葉から学べることは少なくないと言えるでしょう。

(後編に続く)

 

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