たい焼き店「こども食堂」に 小中高生集い笑顔あふれる 伊賀
今後はイベントも計画
おやつ片手に、みんなの憩いの場―。三重県伊賀市久米町でたい焼き店を営む倉本卓哉さん(43)は昨秋から、毎週水曜の夕方の時間帯に、小中高生らが気軽に立ち寄れる「こども食堂」を開き、訪れた子どもたちにたい焼きを振る舞っている。
2022年末の開店から程なく、近くの久米小学校に通う児童が家族とたい焼きを買いに訪れ、高学年の児童を中心に少しずつ〝常連″が増えた。「子どもたちが集まるなら、何かできることはないか」と考え、市の補助金を活用することにした。
水曜は中学校のクラブ活動が無く、卒業して中学生となった生徒たちも集まりやすい。時には高校生や地元の人たちも交え、イートインスペースで話したり、テスト勉強をしたり、顔を合わせて通信ゲームをしたりして思い思いに過ごす。
子どもたちと気さくに会話し、冗談も言い合う仲の倉本さんは「ワンフロアなので、大人の目も届きやすい。まちなかに近く、習い事などに向かう中継地点にもなっているのでは」と話す。12月に初めて訪れた高校生たちは、店の内壁にフリーハンドで絵を描いて過ごしていた。
「顔合わせると楽しい」
互いに常連だと言い合う崇広中1年の佐藤煌士さん、吉村優璃さん、新山遙希さんは「同級生を誘っていくうちに集まる子が増えた」、久米小6年の石井唯乃さんと薗田聖菜さん、前川茉利さんも「皆と顔を合わせると楽しい」と笑顔で話していた。
倉本さんは「今後は社会福祉協議会などの協力も得ながら、イベントのようなこともできたら」と展望を語った。