奈良美智の作品に会える!「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」レポ【前編】 神戸市
今年で16回目を迎える「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」が、8月23日からスタートしました。国内外から集まった60組以上のアーティストが、山々の景観や歴史ある建築、豊かな植物に寄り添うように作品を展開しています。
決してアートに精通しているわけではない筆者ですが、毎年気になっていたビッグイベント。今回初めて参戦してきたので、その内容と見どころをレポートします!
六甲ケーブルカーに乗り込み六甲山上駅に到着すると、一気に別世界へ。駅舎のすぐ横にある天覧台には、インド系タイ人のアーティスト『ナウィン・ラワンチャイクン+ナウィン・プロダクション』による、様々な国の人々が神戸・北野エリアで生活する様子を描いた作品を見ることができます。
すぐ横には『山田毅』の作品「自動れきしはんばいき」が設置。その面白いネーミングに中を覗いてみると...。
山田さんが六甲山内で拾い集めたものが、タバコの箱に入れられて実際に販売されています。中身はヤシャブシの実にプラスチックのかけらなど、何が出てくるかお楽しみだそうです。
次に周遊バスで向かったのは、新池、ROKKO森の音ミュージアム、六甲高山植物園のあるミュージアムエリア。27もの作品が点在する、見応えのあるゾーンです。
まず見えてきたのは『川俣正』による「六甲の浮き橋とテラス Extend 沈下橋2025」。3年連続の出展で、今年は沈下橋を延長してテラスを取り囲むようにしたそう。ただ、今年の猛暑と日照りのため、橋が沈下していない状態が続いているとか。
続いて進むと、『やなぎみわ』の鋳造作品「大姥百合(オオウバユリ)」。深く緑が生い茂るなかにたたずむ様は、目を凝らさないと気付かないほど自然と一体化しています。
ちょうど、その開花を待ち続けるように寄り添っているカエルの姿も印象的で、そこだけ神秘的な空間に感じられました。
続いて見えてきたのは、『堀園実』の作品「風や水を切る」。六甲山の草木が茂る庭にオブジェが設置されています。
素材の琉球漆喰は呼吸をする皮膚のようであるとし、形状や質感から生き物の気配のようなものを感じられるとか。柔らかな質感に是非触れてみてください。
そして、今回のメインビジュアルがこちら。日本を代表するアーティスト『奈良美智』の彫刻作品「Peace Head」が六甲山に降臨しました。2.5メートルもの巨大な立体物に圧倒されます。
氏が東北の災害の後からシリーズの発表を始めたという、平和への祈りがこめられた作品のひとつが阪神大震災30年を迎えたこの年に登場しました。
彫刻の背面には、作品名の由来として、文字とマークが点で大きく刻まれています。なお、こちらは会期後もこの場所に常設展示されるそうなので、いつでも鑑賞することができます。
▶レポートの続き「中編」・「後編」はこちらから
開催期間
2025年8月23日(土)~ 11月30日(日)
場所
六甲ケーブル(六甲ケーブル下駅・山上駅)
天覧台
兵庫県立六甲山ビジターセンター(記念碑台)
六甲山サイレンスリゾート(旧六甲山ホテル)
ミュージアムエリア(ROKKO森の音ミュージアム、新池、六甲高山植物園)
トレイルエリア
六甲ガーデンテラスエリア
みよし観音エリア
風の教会エリア
時間
10:00〜17:00
※会場により一部異なります
※夜パスは17:00~20:00