イラストレーターとしても活動 名張の理学療法士・岩本さん
「心和む」イラストの数々
理学療法士として働く傍ら、イラストレーターの活動も始めた三重県名張市南町の岩本香菜さん(27)。描かれたイラストの数々は、柔らかく温かな絵柄や色合いで、「心が和む」と好評だ。
描くのは幼稚園のころから好きだった。小中学生の時には、人気アニメのキャラクターを描き、友人らにプレゼントしては喜ばれていた。高校でも所属していたテニス部で、先輩たちに記念に渡す色紙を描いていた。高校3年時、「漫画の専門学校に進みたい」と選択授業で美術を選択、水彩やアクリル絵の具の基礎を学んだ。
ところが、「まずは現実を」と卒業後は一転、理学療法の道へ。3年間通った専門学校では、「骨」を描く課題があり、それがとても楽しく、よりリアルな骨格を描いていたという。国家試験にも受かり、21歳で理学療法士として働き始めた職場でも絵は描き続けた。仕事で使う患者の自主トレメニューもオリジナルイラストで図解すると「分かりやすいと喜んでくれた」という。
「そろそろ、自分のやりたかったことをやってみたい」と思いが強くなった2年前から、創作時間を増やした。仕事の時間もセーブするようになった昨年には、知り合いから作画依頼が舞い込むようになり、SNSを通じた依頼も増えると、「かなひろ」の作家名で、インスタグラム「かなひろ@おえかき屋」(@k716_rebirobisen)を開設した。
人や風景の模写
「色えんぴつや水彩絵の具が好き」な岩本さんは、人や風景などの模写を得意としている。感動した景色を色紙にラメ入りで描いた作品「名張の空」や飼い猫の絵などは丁寧なタッチで、また、人柄を表すような淡い雰囲気がある。デジタルツールを使った作画もこなし、創作ネタになりそうな景色や話にも常にアンテナを張っているそうだ。
今年2月に初参加したイベントでは、会場で似顔絵を描き、スマートフォンに挟めるイラストカードなどを出展した。
岩本さんは「これからはイベントにも出て、視野を広げていきたい。いつか理学療法士の経験も生かしたエッセー漫画も描いてみたい」と夢を語った。