要注意な「夏季うつ」って? 夏バテとの違い&3つの対処法
一歩外に出ると襲ってくる猛暑。このうだるような暑さの中で過ごしていると、からだがだるかったり食欲がなくなったりなどの不調があらわれる可能性があります。
そして、その不調は夏バテだと思い込みがちですが、実は「夏季うつ」かもしれません。
そのうち治るだろうと放置するのは危険です。そこで、今回は夏季うつと症状が似ている夏バテとの違い、そして、具体的な対処方法についてご紹介します。
夏季うつって何? 夏バテとの違いは?
夏季うつとは、「季節性感情障害」の一種で季節性のうつ病といわれ、からだの疲労感や食欲不振、睡眠障害などの、いわゆる「夏バテ」とよく似た症状があらわれやすいです。
そのため、夏バテとの区別がつかずに放置してしまう人も多いかもしれません。
では、夏季うつと夏バテの違いは何でしょうか? それは「精神的不調があるかどうか」です。
夏季うつでは、夏バテの症状に加えて、イライラや不安感などの精神的な症状もみられるのが特徴です。(※1)
夏季うつになる原因は?
夏季うつになる原因は「高温下で長時間過ごす」「栄養の偏った食生活」「室内外の気温差」などが挙げられます。強い日差しや高温の中で長時間過ごしていると、食欲不振になったり過度の疲労感に襲われたりすることがあります。
また、暑さの影響で部屋にこもりがちになると、幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質(セロトニン)の分泌量が低下し、うつ病につながる可能性があるのです。(※2)
夏季うつを防ぐ効果的な方法3つ
夏季うつを防ぐためには、暑さ対策だけでなく生活習慣の見直しも重要なポイントです。
1.栄養バランスのよい食事を摂る
暑い日が続くと、食事は冷たくて食べやすいものに偏りがちですが、肉や魚、野菜などバランスよく食べるように心がけましょう。
とくに、トリプトファンが豊富に含まれる食材(肉、魚、バナナ、ナッツ、大豆製品、乳製品など)は、セロトニンの分泌を手助けしてくれるので、積極的に摂取するのがおすすめです。
2.睡眠の質を高める
睡眠不足は心身の不調につながりやすいです。良質な睡眠は、体力を回復させてストレスを緩和させる効果も期待できるため「寝る直前はスマホやパソコンの使用を控える」「リラックスできる音楽を流す」などして、からだを休めましょう。
3.適度な運動を習慣化する
からだを動かすのも大切な習慣で、おすすめは朝の有酸素運動(ウォーキング、ジョギングなど)です。
日中は気温が高く、無理に運動をするとかえって体調不良になる場合があるので、朝の比較的涼しい時間帯がおすすめ。適度な日光を浴びながら行うことで、セロトニンの分泌も促進されます。
夏季うつには漢方薬もおすすめ
食事や睡眠、運動などの生活習慣の改善に加えて、漢方薬を活用するのもひとつの手段です。
一般的に漢方薬は西洋薬より効果がマイルドで、副作用も比較的少ないといわれています。根本からの体質改善が目指せるので、不調を治すだけでなく、不調にならないからだを手に入れることもできますよ。
決められた量を飲むだけなので、毎日忙しく過ごしている人も続けやすいのがメリットです。
夏季うつには下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。
・気分の落ち込みを改善する
・イライラを鎮める
・血流をよくして自律神経の乱れを整える
・消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする
夏季うつが気になる人におすすめの漢方薬
・柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)
血液循環やエネルギーの流れを整え、自律神経を安定させる働きがあり、イライラや動悸、抑うつ、不眠などに働きかけます。(※3)
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
エネルギーの滞りや水分代謝を整えることで高ぶった神経を鎮め、精神的な不安やストレス、気分が塞いでいる状態を緩和します。些細なことで感情が揺らいでしまう人におすすめです。(※4)
スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。
スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
夏季うつを完璧に防ぐのは難しいかもしれません。しかし、夏バテとの違いを知り、自分の体調の変化に気づいてうまく調整できれば、乗り越えられるかもしれません。
自分の体調のためにも、早めに対策を行っていきましょう。ただし、無理は禁物です。自分の力ではどうしようもできなくなったら、早めに専門の医療機関を受診してくださいね。
参考サイト
(※1)品川メンタルクリニック「夏季うつ~夏バテとの違いって?~」
(※2)医療法人社団 平成医会「セロトニンの増加が心身に及ぼす影響」
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)」
(※4)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒(医療用)」
<この記事の執筆者>
ヨガインストラクター・ライター
高橋かなこ
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。
自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
(ハピママ*/あんしん漢方)