【島田市博物館分館/海野光弘版画記念館の「静岡の風景」展】 海野光弘は中高生時代からすごかった
静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、島田市の市博物館分館/海野光弘版画記念館で6月15日から開催中の「静岡の風景」展。会期は9月1日まで。
静岡市出身の木版画家海野光弘(1939~79年)の、地元の風景を材にした作品群。「静岡三十五景」(78年)の久能山、駿府城壕など配置の妙が感じられる作品もいいが、特筆すべきは中高生時代。末広中時代の「僕の住んでいる町」は、2階から眺めた新富町界隈の住宅のひしめきが楽しい。静岡商時代の「東林寺風景」は、家屋の背景の樹木の描き分けに息をのむ。整然とした瓦屋根には、後の「宇津の谷」シリーズの片鱗を見た。(は)