コロナ特例貸し付けの一部が回収不能に。その額4685億円!
10月23日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、新型コロナの影響で実施された特例貸し付けの一部が回収不能となっていたというニュースについて、意見を交わした。
新型コロナウイルスの影響で収入が減った生活困窮世帯に対する国の特例貸付制度で貸し付けられた1兆4000億円を超える金額のうち、4685億円について返済が免除され、回収不能となっていたことが会計検査院の調べでわかった。返済滞納者も多く、回収不能額はさらに増える恐れがある。検査院は昨日、貸付先への支援を適切に行うよう厚生労働省に求めた。
特例貸付制度は、コロナ禍の休業などで収入が減少した世帯に200万円まで無利子で貸し付けるもので、2020年3月~2022年9月に382万件・1兆4431億円が拠出されている。
厚労省は返済に関し、2021年11月の社会・援護局長通知で、住民税の非課税世帯などの場合は免除、検査院が今年3月末までの免除額を調べたところ、131万件・4685億円に達していた。
厚労省によると、6613億円分について返済が始まったが、8月末現在で1188億円が滞納などで未返済となっている。免除分を除いた残りの3133億円は今後、返済開始時期を迎える。
調査では、貸し付けの事務や支援を担う社会福祉協議会の一部で、国のルールに従った手続きを行っていなかったこともわかっている。14都府県の社協では滞納者らに対する家庭訪問を行わず、就労支援などができていないケースがあった。
寺島尚正アナ「コロナ特例貸し付けの回収不能額が4685億円ということですね」
森永康平「そうですね、そもそも困窮しているところに対しての貸し付けですから、当然回収できないリスクというのは、そりゃ高いですよね。社会実験するわけではないんですけど、どういう場合においては貸し付けが良くて、どういう場合においては給付してしまった方がいいのかっていうものを、検証した方が良かったんだと思うんですね。例えばコロナ禍における企業に対しての融資も一緒で、今回はゼロゼロ融資……無担保無利子の融資っていうのを政策として採用したわけですけど、採用する前の議論としては、いわゆる粗利補償、もう「あげる」っていうことですね。これは策としてはあったわけですが、結果としてゼロゼロ融資の方を採用して、足もとで何が起きているかというと中小企業がボコボコ潰れているわけですよね。じゃああの時粗利補償をしなかった判断はどうだったんだろうと。結局政策って必ず100点のものを常に出来るわけでもないので、こういう色んな結果が数年経って出てきた時に、検証する必要があるんですが、それがまったく成されてないなと。結局今回もおそらくですけど、回収不能になっているところが『困ったね』とか『けしからん』みたいな話で、『で?』っていう話が無いんじゃないかなっていう。これは別に誰が責任取れとかそういう話じゃなくて、本来はどういう政策を取るべきだったのかっていうところを今一度、結果を持って検証すべきだと思いますよね。