【鎌倉 イベントレポ】八重樫茂子 『 ピクチャー展 vol.4 』-織物の優しさに触れる
八重樫茂子『 ピクチャー展 vol.4 』に行ってきました。
先日、織物作家の八重樫茂子さんの展示を見に行ってきました。
場所は、湘南エリアで素敵な企画が多く開かれているKATACOTO GALLERY。
画像出典:湘南人
作家さんの作品は、一言で言うと「温もりと物語に満ちた布」。
中でも印象的だったのが、つづれ織の技法で織られた作品たち。
画像出典:湘南人
お花や動物モチーフにしたものが多く、どれも可愛らしくて、やわらかい空気をまとっていました。
画像出典:湘南人
つづれ織
つづれ織は、模様をひとつひとつ丁寧に差し込んでいくような織り方。
画像出典:湘南人
均一に織るのが難しく、まっすぐにならないこともあるそうですが、その“うまくいかなさ”が逆に楽しいのだとか。
私も大学時代につづれ織をやったことがあるのですが、かなり難しいです。
なので凄さがよくわかります。
いろんなお花のデザインで可愛らしいですね。
画像出典:湘南人
人の手の温かさが滲んでいて、見ていて心がほっとするような、そんな魅力がありました。
ふわふわの猫ちゃんの織物もありました。
ミーコさんというタイトルが可愛いです。
画像出典:湘南人
反対側の展示スペースには馬や鳥をモチーフにした織物も並んでいました。
画像出典:湘南人
動物たちが布の中で生き生きと表現されていて、思わずじっと見入ってしまいます。
作家さんご自身も「なんとなくでモチーフを決めて織ってる」とおっしゃっていましたが、その“なんとなく”がとても自然で、無理のないリズムの中にある美しさが印象的でした。
画像出典:湘南人
絨毯
そして何より圧巻だったのが、絨毯の作品。
画像出典:湘南人
大きなサイズのものも展示されていて、その存在感と手の込んだ織りの美しさに圧倒されました。
絨毯の一部には、まるで積み木のように色がブロック状に組み合わさった模様がありました。
カチッとした模様の中に不思議な柔らかさがあって、まさにアートピース。
織物を始めたきっかけ
作家さんが織物を始めたきっかけの話もとても素敵でした。
子どもの頃から織りに憧れていて、定年退職してからおばあちゃんになってハタオリができたら素敵かな!と思っていたそうです。
でも、年を取ってから始めるより、今からやっておけばもっと自由にできるはず!と思って、本格的に始めました」
思い立ったらすぐ行動するそのフットワークの軽さが本当にかっこよくて、なんとスウェーデンまで行って織りの勉強をされたのだとか。
海外で学ぶ決断、しかも手仕事の世界に飛び込む勇気。その行動力と情熱には脱帽です。
織りはとても奥が深くて、使う糸の太さや張り、織る力加減ひとつで表情が変わってしまうそう
。でも、だからこそ「難しいけど楽しい」と笑う作家さんの姿が印象的で、織りそのものが、その方の人生のように感じられました。
次は11月中旬には再びKATACOTO GALLERYでマフラー展が開催される予定だそうです。
こちらは去年のDMだそうですが、こんな感じだそうです。
画像出典:湘南人
普段使いできる、でもちゃんと個性のある作品に出会えるチャンス。
作家さんのInstagramでも情報が更新されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
見て、触れて、そして作家さんのお話を聞くことで、ただの“布”ではなく“誰かの想いが織り込まれた作品”として、織物を見る目が変わる時間でした。
この秋、11月中旬にはマフラーを中心とした展示が予定されているそうで、今からとても楽しみです。秋が深まる頃、またこのギャラリーで、ふんわりと優しい時間を過ごしに行きたいと思います。
八重樫茂子『ピクチャー展 vol.4』
開催期間
2025年5/月16日(金)~5月19日(月)
11:00-17:00(最終日は16:00まで)
開催場所
KATACOTO GALLERY
住所:神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-1-21
JR横須賀線「鎌倉」駅西口 徒歩5分
【関連リンク】
KATACOTO GALLERY Instagram
KATACOTO GALLERY HP