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【記者ノート】渋谷建設社長インタビュー、6次産業から始めたワサビ栽培は独自栽培装置の開発経てヨーロッパ等世界への販売に

にいがた経済新聞

会社から4キロ程離れた市内梶屋敷のワサビ栽培のビニールハウス内のワサビ

糸魚川に農業特産物を創りたいとしてワサビを

糸魚川市は昔から地滑りなど土砂災害が多かったことから、公共事業の土木工事が盛んだった。昭和43年創立の株式会社渋谷建設(糸魚川市日光寺)も3代目の一正社長も含め、土木畑一筋に57年の歩みを刻んできた。そんな中、一正社長は平成17年同社近くにビニールハウスを建て、ワサビ栽培を始めた。同社長は「当時糸魚川には農業関係の特産物が余りなかったことから、何とかチャレンンジし特産物を創りたいとして始めたのが、ワサビ栽培のきっかけだった。もちろん、多角経営の一環として6次産業化もにらんだものでもあった」とスタート当時のことを話してくれた。

火山由来の豊富な地下水で最高級「真妻ワサビ」、農林水産省輸出プロジェクト「GFP」の輸出診断も

その後本格的にわさび栽培をスタートしたのが平成26年で、農業生産法人「有限会社SKフロンティア」を立上げ、同社から4キロ程離れた梶屋敷に12棟の新たな克雪型のビニールハウスを建てた。造り上げた同社独自の“省エネワサビ栽培装置”(地下水掛けのシステム)はまさに、同社が研究開発を重ねて出来上がった装置であり、。しかも、同社長は「この辺りは活火山の焼山の影響で、ミネラルが豊富な地下水を利用すべく、2つの井戸を掘り、高級品種の『真妻ワサビ』栽培に成功した。12棟では苗を植える時期を調整し、年間を通じて生産が途切れることはない。

しかも、6年前に農林水産省の農林水産物・食品の輸出プロジェクト『GFP』の輸出診断を受けることが出来、タイやフランス・ドイツなどヨーロッパはじめ世界への輸出へと広がっていった」と胸を張る同社長だ。海外への輸出に至るまでには、東京の築地や料亭などでも高級食材として評価され、販路が拡大されて来た。現在は市場でネット販売を行っており、都内を中心に寿司屋や酒屋、ホテルなどからの注文も多い。なお、この真妻ワサビは1キロ当たり、1万円から1万5,000円だという。

海洋高校とのコラボでチョウザメとイトウの養殖も、世界三大珍味の卵『キャビア』の出荷にも期待

ワサビのビニールハウスの奥にあるチョウザメの生け簀(コンクリート水槽)

もう一つがチョウザメの取組みだ。ワサビとほぼ時期をいつにして、こちらは糸魚川市の新潟県立海洋高校との産学連携によるコラボだ。同社のワサビ栽培後の水を活用して、ワサビ棟に隣接するコンクリート水槽の中での希少淡水魚のチョウザメとイトウの養殖の取組みだ。ともに2~3㎏程になると出荷出来るとのことだ。魚肉としても評判で、長野の高級旅館などに出荷している。同社長も「ワサビ栽培後の水は魚の養殖に適しており、水温も20度前後で一定で魚の成長も早い。また世界三大珍味と謳われるチョウザメの卵『キャビア』については、7~10年かかると言われており、まだそこまで漕ぎつけていないが、大いに期待している」ととても意欲的だ。

なお、2018年には渋谷建設のSKフロンティアが事業展開するワサビ栽培と淡水魚養殖が、NIIGATAビジネスアイデアコンテストで、事業部門のグランプリに選ばれるなどし、一躍脚光を浴びた。その後、SKフロンティアでは、他ではマネの出来ない生ワサビのパウダー(ワサビ粉末)を低温特許乾燥で創り上げ、水と混ぜたら香り豊かな本ワサビに戻るということでバカ受けしているとのことだ。更に海洋高校が養殖した真昆布を使用した『まこちゃんうどん』(製造所は上越市浦川原区の㈱自然薯そば)も販売している。

インタビューに応える渋谷一正社長

竜 哲樹(にいがた経済新聞顧問)

昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。

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