プチ鹿島が推薦!!野球ファンの必読本『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』とは
マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオが語り合う番組。9月28日放送は「推薦図書論2024秋」(第594回)をお送りしました。
タツオ:久しぶりにそれぞれがどんな本を読んでいるのかっていう話をしましょうか。久しぶりに許可局書評コーナーです。
鹿島:勝手に本の話をしていたらさ、僕らはしがらみがない、自分とは関係ない、おもしろいと思った本を紹介したら、どんどんAmazonのランキングとか上がっていくじゃない。
マキタ:アハハハハッ!
鹿島:人の本が。それを見てスポンサーがつきましたよね。
マキタ:一時期はそんなことがありました。
タツオ:3人とも本を出したりしているので、よかったら調べていただいてってことなんですけど、自分たちの宣伝じゃなくっていう。
鹿島:そこが許可局のいいところなんだよ。
タツオ:じゃあ鹿島名人からいきますか。
鹿島:これは3人とも共通する話題として、許可局仲間でもある春日太一先生。
タツオ:大宅壮一ノンフィクション大賞。
鹿島:ノンフィクション界のM-1を獲ったみたいな。
タツオ:M-1ですね。
マキタ:ノンフィクション界のM-1(笑)
鹿島:俺、ビックリした。「本当に獲るんだ、春日さん!」と思って。M-1で勝ったんだよ!
タツオ:橋本忍の『鬼の筆』ですね。
鹿島:僕はそんなに橋本忍さんのことを存じ上げなかったんですけど、脚本家として『羅生門』とか『七人の侍』。
マキタ:『砂の器』。
鹿島:『八つ墓村』『日本沈没』とありとあらゆるもの。その人に話を聞いて、何年もかけて。
タツオ:100歳まで生きましたけど、春日さんは生前にちゃんと取材に行ってますからね。
鹿島:僕はあらゆるジャンルで思うんですけど、その分野を切り開いてきた人に早めに話を聞く。じゃないと、その人が亡くなってしまうと大きな図書館が一つなくなってしまうことになりますからね。それを春日さんは間に合った。
タツオ:タイムリミットがある人に直接会いに行く。
鹿島:そんなに知識がない人でも「おもしろいな~」とページをめくる手が止まりません!
タツオ:手垢のついた表現でしたけど(笑)
鹿島:手垢がつきました(笑)この前、春日さんが直接言ってたんですけど、「この本自体もすごく時間がかかって、たとえば出版社が変わるなど大変なこともあったけど、素晴らしい編集たちが支えてくれて辿り着いた」という。今は文藝春秋から出てますけど。だからこれは春日さんのドキュメントでもあるんです。
タツオ:『あかんやつら』とセットみたいな感じ。『あかんやつら』で世に出た人が『鬼の筆』でM-1を獲るという。
鹿島:すごいね!M-1獲ったよ!
マキタ:M-1じゃないんだよ(笑)
鹿島:ノミネートされること自体すごいですからね。だからみなさん、これはすぐにポチってください。
タツオ:でもメインはそこじゃない。
鹿島:これは「ご存知の…」ということで。で、「まだみなさん、ご存じじゃない?」っていうものがあるんですよ。じゃあ僕からいきますか。村瀬秀信さんが書いた『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』っていう。
タツオ:村瀬さんと言ったら、『4522敗の記憶』でも有名なベイスターズファンでもありますけど、野球関連だと『止めたバットでツーベース』という本も出して、スポーツノンフィクションライターとしてはめっちゃ有名な人です。
鹿島:春日さんとも励まし合ってるという。
タツオ:そうです、傷を舐め合ってますよ、横浜ファンでね。その村瀬さんが「虎!?」と思って。
鹿島:村瀬さんからしたら、春日さんがM-1獲っちゃったから、「よーし、俺も!」というのがこの作品だったんです。
(TBSラジオ『東京ポッド許可局』より抜粋)