江戸時代に日本に伝わってきた四柱推命。中国式との違いは?【一番わかりやすい はじめての四柱推命】
日本に伝来してからの四柱推命
江戸時代に伝わりいろいろな流派が誕生
四柱推命が日本に伝わったのは、18世紀頃の江戸時代。前述した『淵海子平』が伝わり、仙台藩の儒学者であった桜田虎門による訳本『推命書』が作られました。その後、明治から昭和期には、阿部泰山先生や高木乗先生など多くの方が研究され、日本における四柱推命の基礎が築かれました。
徐子平が書に著す前までは特権階級の専門家だけが扱える秘伝であったため、中国から伝来してきたものがどこまで詳細に翻訳され、秘伝・口伝の部分がどれだけ伝授されたかはわかりません。当然、日本風にアレンジされていき、さまざまな流派に分かれることで、独自の理念も混じり合い、変容していったことでしょう。
現在の日本において、四柱推命にはさまざまな流派があります。それだけ魅了される占術であるということには他なりませんが、本によって書かれていることが異なるということも事実です。もしかしたら、そのことが四柱推命を学びにくくしているのかもしれません。さまざまな書籍を参考にしてほしいと思いますが、いくつもの解釈が存在していることを念頭におきつつ学ぶようにしましょう。
中国式と日本式のおもな違い
中国式四柱推命の特徴
・さまざまな歴史背景のもと作られた命術学であることを念頭に置いている・年月日時すべてそろって四柱推命とする・旧暦と新暦どちらも大切にする・天干地支の陰陽五行バランス、蔵干の陰陽五行のバランスを重視する・日柱を重視しつつ、最終的には命式全体をみる・多角的な視点をもって俯瞰的に鑑定する・陰=吉でもあり凶でもある、陽=凶でもあり吉でもあると考える・易経の思想が基軸になっているので、命式を吉凶だけで判断しない・通変星「比肩・劫財・食神・傷官・偏財・正財・偏官・正官・偏印・印綬」はそれぞれ吉な部分と凶な部分が混在すると考える・的中率をあげるために、親子3世代を鑑定することを重視する(先祖や両親を敬い、子どもに引き継ぐ思想の意味を重視する)
日本式四柱推命の特徴
・歴史背景を知らなくても占いとして成立している・出生時間を重視しなくても、四柱推命とする・旧暦でみることはない・天干地支の陰陽五行バランスより、通変星を重視し判断する・最終的に命式全体をみないことも多い・通変星や十二運星を優先的に判断するなど部分的に鑑定する・陰=凶、陽=吉、とシンプルに考える・吉凶でも凶にのみに着目して判断することが多い・通変星「劫財・傷官・偏官・偏印」を凶星、「食神・正財・正官・印綬」を吉星と判断することが多い。十二運星も同様に吉凶で判断する・親子3世代を鑑定することをそれほど重視しない
本書で語る四柱推命とは
四柱推命の変遷や流派をふまえ、本書は原典である『淵海子平』や『滴天髄』を軸に、日本でも有名な泰山流も取り入れて解説する。最も重要視するのは、八字で表される天干地支の陰陽五行のバランスである。
【出典】『一番わかりやすい はじめての四柱推命』著:愛新覚羅ゆうはん