〈天理市〉山の辺の道観光の拠点に日本初の「古墳の宿」が春オープン!/株式会社「cofunia」前田知里さん
奈良で活躍する“奈良もん”
今回は、古墳の麓にある古民家を民泊施設として活用する株式会社「cofunia」の共同代表 前田知里さんをご紹介!
刀根早生柿発祥の地として知られる天理市萱生町。集落の西を山の辺の道が通り、中世以来の環濠集落の様子を残す歴史情緒ある街並みは国内外の旅行者に人気だ。
また周辺には大和古墳群があり、大小さまざまな古墳を見ることができる。その中の一つ、西山塚古墳の麓の古民家がこの春、民泊施設「cofunia(コフニア)」としてオープンする。
西山塚古墳、右の建物が『cofunia』
西山塚古墳は墳丘長114mの前方後円墳。6世紀前半の築造と推定され、現在、西殿塚古墳(衾田陵)に定められる手白香皇女(第26代継体天皇皇后)の真陵だとする説が有力視されている。
考古学ファンも注目する古墳だが、未調査の上、史跡指定もない。墳丘はかつて数軒の農家が果樹園として利用し、民泊となる古民家も墳丘内200坪の敷地に建つ。
同施設を運営するのは株式会社cofunia。共同代表の前田知里さんが2021年に地域住民から古民家を譲り受けたことに始まる。
建物は築100年以上のものもあり、また10年以上空き家となっていたため屋根が抜け落ち、壁もないような状態で建築士もお手上げだった。3年もの時間を費やしたがついに昨年協力団体が見つかり改修に着手。作業には国内外から100人以上の一般人も参加し、5か月をかけて完成に至った。
一番人気の土の棟宿のテーマは「五感×五行」。全5棟のうち4棟を宿泊棟、1棟を飲食棟とした。5棟はそれぞれ陰陽五行に因んだ「金・水・土・木・火」をコンセプトに設えている。 加えてアート作品が点在するほか、里山の風景や音、香り、自然素材を使用した手作りのインテリア、地元食材を使った料理など五感で楽しむ仕掛けも用意している。
金(こがね)の棟
前方後円墳型の浴槽にも注目!
現在はプレオープン期間中だが既に260人を超える宿泊予約があるという(2025年3月20日グランドオープン)。民泊には180日の営業制限があるため、正式な開業後は春と秋をメインに宿泊を受け付ける予定だ。「休業中の利活用については、登録者に建物を貸し出すメンバーシップ制度などを考えています。仲間を集めていろんなアイデアを募り、さまざまな活用方法を見出したい」と前田さん。
また「山の辺の道はカジュアルウォークとして訪れる外国人も多い。その交流拠点にすると共に山の辺の道を世界に発信していけたら」と語った。
墳頂からの見晴らし(耕作放棄地となった墳丘も整備中)
前庭は現在整備中
施設情報
名称:cofunia
ふりがな:コフニア
住所:奈良県天理市萱生町1021
営業時間:IN 16:00~20:30/OUT 10:00
駐車場:あり