「完璧な再現」「芸術ポイントが高すぎる」 鉄道車体に合わせたファッション「着鉄」をして北海道を旅する写真がXで話題
ロマンあふれる鉄道にはファンが多く、最近は「乗り鉄」や「撮り鉄」など、鉄道好きの中でもそのジャンルは多岐に渡っています。今回は新たに、鉄道車体と同じ配色のファッションをすることを「着鉄(きてつ)」と呼んで旅をしている柚子さんに、その「着鉄」の魅力について詳しくお話をうかがいました。
「着鉄」の様子をSNSに投稿している柚子さんは、首都圏在住。日本全国でこだわりの鉄道コーデを公開し、その再現度の高さが度々注目を集めています。
今回SNSで話題になっている着鉄作品は、タイトルの通り「汽車・跨線橋・ファッション」の3点を合わせたトータルコーディネート!車両のみならず駅まで絡めた作品に、「センスを感じる」「完璧な一枚」と絶賛のコメントが寄せられています。
なぜ北海道の鉄道で「着鉄」を?ご本人にお話を聞いてみた
さらに柚子さんは、Xのプロフィールに「北海道にお熱」と書くほどの北海道好き。首都圏で会社員をしながらも、3週間に1回程というハイペースで道内を旅しており、普段の投稿からも北海道愛を強く感じます。今回はそんな柚子さんにお話を伺いました。
Q.「着鉄」を始めたきっかけは?
形が可愛くて好きな車輌(キハ40形)があり、さらにその国鉄時代をイメージした復刻塗装車を見て「可愛いカラーリング!」と思ったことがきっかけです。直後に「このカラーリングは洋服のコーディネートにしたら可愛くまとまるのでは」と考えはじめました。
余談ですが、大学の友人がアニメの推しキャラのイメージカラーで学会発表用のスライドを作成したことも、脳裏をよぎりました。そのとき「彼女が嬉々として色を真似ていたのはこういう気持ちか!」とも思いました。
Q.北海道を好きになったのはどうしてでしょうか。
軽い気持ちから「Go To トラベル」を利用して初めて北海道を回ったとき、この目で見た大地の雄大さと歴史・開拓のロマンに胸を打たれて好きになりました。
一人で何度も繰り返しそれらを味わうのには、レンタカーよりも公共交通で巡るのが安上がりと考え、鉄道旅をよくしています。来れば来るほど味わいの増す北のロマン、何度来ても季節が変われば別世界の大地、それらを求めていると自然と北海道愛が募ります。
車窓の風景、あるいは鉄道や駅(廃線跡や駅跡も含む)そのものからは、特に明治から昭和にかけて北海道を作ってきた人々の営みや足跡が伺えて、博物館のようで好きです。
再現度が高すぎる!柚子さんの着鉄作品をご紹介
今回は柚子さんの数ある着鉄作品の中から、お気に入りの2枚をご紹介いただきました。
「国鉄標準色」
着鉄を始めたきっかけの色で、思い入れがあります。
この色は広い道内に2両しかおらず、会うのが難しかったです。それまで鉄道に詳しくなかったのですが、この車輌に会って乗ってツーショットを撮るために、車輌の運用(※)というものを勉強しました。結果、北見駅に数日いれば高確率で出会えると予測できたため、3日間ほど北見に滞在して車輌の運用を観察・予測し、計画的に出会うことができました。そのときに乗って撮った写真です。
※どの時刻の列車にどの色の車輌(個体)が充当されるか。周期性があるので、ある一日の運用状況を観察すれば数日先まで予測できることが多い
石北本線 北見駅 旭川行き普通 キハ40形
「北海道色」
JR北海道で最も標準的な色で、全国のキハ40形に塗られた色の中で最も好きな色です。
道内にたくさんいるため(車両に)出会うのは簡単なのですが、この色味の服と出会うのは簡単ではありませんでした。特にスカートの青紫色は絶妙で、アパレル店やフリマアプリをさまよいながら探すのに数ヶ月かかりました。普段着としても着やすいコーディネートで気に入っています。北海道カラーで私らしい装いだったからか、ただ着て乗っているだけで、面識の無かったフォロワーさんに私だと察知されて声をかけられることもありました。
最後に、Domingoをご覧の方へメッセージをいただきました。
好きなものや推しのカラーを身に纏うと、ただの服選びやただの乗車などを楽しみなイベントに様変わりさせることができます。自己満足のために始めた趣味ですが、読者のみなさんにもご覧になって楽しんで頂けたら望外の悦びです。
中には既に似た遊びをされている方もいるかもしれませんが、ぜひたくさんの方の作品も見てみたいので、機会があればお試しください。
新たな視点で、日常的な光景を楽しいイベントに変えた柚子さん。全身で「好き」を表現する柚子さんの作品、今後も楽しみですね!
取材協力:柚子さん
X(旧Twitter):@_yuzu_40