「キスは干潮と満潮どちらが釣れる?」キス釣りと潮位のリアルな関係性
初心者でも手軽に狙えるキスは、天ぷらの食味が大変良く人気のターゲットだ。釣り師なら誰もが効率よく釣りたいと考えるわけだが、キスにとって「釣れる潮位」というのは、一体どのようなタイミングなのだろうか。今回はそんな疑問にお答えすべく、キスと潮位の関係性にフォーカスしてみたい。
キスが釣れる潮位とは
まずはキスが活発に餌を食う時間をみていこう。
圧倒的に上げ潮
キスは干潮から満潮に向かう、所謂「上げ潮」が最も活発に餌を食うとされている。効率よくキスを狙いたいなら、上げ潮を狙って釣行するのがおすすめだ。
潮止まり前後も良い
上げ潮の中でも、潮の動き始め・動き終わりがまさにゴールデンタイム。そこで、釣行時間を干潮・満潮を挟んだ前後3~4時間とすると、効率よく釣る事が可能だ。もしこの時間が日の出時刻と重なっていたならば、最早釣果は約束されたものと言って良いかもしれない。
潮周りよりも潮の動き
海釣りと言えば一般的に「大潮・中潮が釣れる」というイメージを持っておられる方も多いだろうが、タイドグラフを確認すると、大潮であっても潮位が大きく変化しないケースがあるのが難しいところ。
逆に長潮・小潮であっても潮が動いていれば釣れるので、潮周りよりも「潮が動いているかどうか」「潮位変動が大きいか否か」に注目したい。とはいえ、浅い場所で釣る場合に「大潮の満潮直前に食いが立つことがある」という事も追記しておきたい。
満潮のメリット
では続いて、満潮前後に釣行するメリットをみていこう。
浅いポイントで釣れる
潮の満ちに合わせてキスは移動してくるので、満潮前後であれば遠浅の場所が好ポイントになる可能性がある。極端な話、最盛期であれば水深が20cmくらいの所や、波打ち際近くで食ってくる事もあるのだ。
遠投が必要ないケースも
普段は遠投しなければ釣れない場所でも、満潮により潮位が上がれば、案外近くでヒットする事がある。こういった際は投げ釣りタックルではなく、ライトタックルで狙うと効率がいい。
連掛けのチャンス
遠い距離から仕掛けを引いてくる場合、当然足元/波打ち際近くまで探れた方が多点掛けのチャンスは広がる。サーフから狙う場合、遠投して足元まで探って8連~10連掛け……なんて事もある。
干潮のメリット
対して、干潮時にはどんなメリットがあるのかをみていこう。
遠浅のポイントが面白い
春先に潮干狩り場、夏場は海水浴場になるような遠浅のポイントの場合、大潮の干潮前後に釣行すると数十メートル単位で潮が引く場合がある。こうなると普段よりも遠い場所まで仕掛けが届くようになり、釣り荒れしていないエリアを狙えたりする。
ただし、釣りが可能な場所かどうかを事前に確認してから釣行してほしい。釣りが可能なら、潮干狩り場の近くのサーフ等は狙い目だ。
美味しい時間を狙い撃ち
キスは上げ潮が良いわけだが、干潮からの上げ始めが最も食いが活発になる。干潮前後に釣行すれば、この時間をピンポイントで狙えるのだ。また、潮が緩み始める下げ終わりも狙うことが出来るので、終始「時合い」と呼べる状態となるのが最大のメリットだろう。
干潮時に釣れるなら終始釣れる
仮に満潮の時しか釣れないポイントの場合、干潮になると浅くなりすぎて釣れなくなる事があるが、干潮時=最も潮位が下がる時間帯に釣れる場所はそうではなく、1日を通して釣れる可能性が高い。
潮位を把握して効率良い釣りを!
今回紹介したのはあくまで「一般的に効率よく釣れる時間帯」だ。シーズンに入れば時間帯・潮位関係なく釣果をたたき出すベテランも多いので、一概には言えないだろう。
だが、「まずは1匹釣りたい」「あまり経験は無いけど数多く釣りたい」といった場合、潮位はしっかり考察すべきだと著者は考える。狙い通りの釣果を得るために、是非釣行前に潮位のデータを頭に入れてみてほしい。釣行後、きっとその違いに驚いてもらえるはずだ。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>