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【おむすび】不器用で実直な翔也(佐野勇斗)が推せる...今週の朝ドラで気になった「もう1人の男性」

毎日が発見ネット

【おむすび】不器用で実直な翔也(佐野勇斗)が推せる...今週の朝ドラで気になった「もう1人の男性」

毎日の生活にドキドキやわくわく、そしてホロリなど様々な感情を届けてくれるNHK連続テレビ小説(通称朝ドラ)。毎日が発見ネットではエンタメライターの田幸和歌子さんに、楽しみ方や豆知識を語っていただく連載をお届けしています。今週は「気になる登場人物」について。あなたはどのように観ましたか?



※本記事にはネタバレが含まれています。



橋本環奈主演の朝ドラ『おむすび』7週目「おむすび、恋をする」が放送された。



阪神淡路大震災による喪失と向き合い、語り合い、姉妹・家族のわだかまりを解消した米田結(橋本環奈)は改めてギャルをやりたいと宣言。今週は恋愛、そしていよいよ栄養士への道が描かれる。



結が過労で倒れたときに助けてくれた翔也(佐野勇斗)。そんな彼に何かお礼したいと言うと、スタミナが欲しいと言われ、結は毎日手作り弁当を渡すことに。



しかし、それが野球部監督に注意されてしまう。結の弁当で翔也は身体のキレが悪くなるなど、悪影響が出ているというのだ。どちらかというとハードな運動部の中高生など発育段階の場合、食べても食べても体重が落ちてしまうため、むしろ体を大きくすることに親は苦心することが多いと聞く中、太らせるほどの結のハイカロスタミナ弁当の威力。



ともあれ、監督から野球以外のことはすべて捨てろと言われた翔也に、結はメル友になることを提案。メールを送るために栄養について勉強し始める。そこからメールのやりとりのみで、あっという間に2年が経過する。



最後の夏となった高校野球福岡大会で優勝し、結を甲子園に連れて行き、告白するという翔也の言葉に、結は奮起し、書道で横断幕を作る。ついに決勝戦。ハギャレンのメンバーたちと球場に駆け付けた結はパラパラダンスを取り入れたパフォーマンスで応援するが、9回裏、あと一人おさえれば甲子園出場となる場面で翔也がホームランを浴び、逆転サヨナラ負けに。



泣きながら観客席に礼をする翔也にどんな言葉をかけたら良いかわからない結だが、その晩、翔也からメールが。翌日、約束したいつもの海辺に行くと、ケロッとした翔也がいて、大阪の社会人野球チームに行くと言う。結は翔也の切り替えの早さに困惑し、"夢ノート"に書いた内容と違っていると指摘するが、「んなもん書き換えればいいべ」とあっさり。



さらに社会人野球で結果を出してプロ野球選手になったら結に告白するという長期計画を発表するが、「もうそれ、告白しとるんだっつーの」と結に言われ、初めて気づいた翔也は結の気持ちを聞き、「好きだよ、ば~か!」と言われると、両想いを喜ぶ。



この翔也というキャラクターが、なかなか新鮮だ。恋愛に疎く、ちょっと天然だが、結の寂しそうな表情に気づくなど、相手の気持ちを察することに長けている。しかも、結から被災の経験を聞くと、すぐ調べ、結が背負ってきたものに思いを馳せ、そんな結が手をケガしながらも、おそらく不慣れな料理を頑張ってくれたことを全力で受け止めるべく弁当を残さず食べ続け、太ってしまい、結果的に結が監督に注意される羽目になったことを詫びる不器用さと実直さ。人の気持ちや傷には非常に敏感で繊細なのに、自分の痛みは自分の中で前向きに解決できる強さ・明るさを持っている。ある意味、結より王道ヒロイン適性があるし、親世代からすると、自分の子の相手としてかなり推せるタイプだ。



そんな翔也の明るさは確実に結にも影響を与えているようで、高校卒業後の進路が決まっていなかった彼女は、栄養を学びたい、専門学校に行きたいと父・聖人(北村有起哉)と母・愛子(麻生久美子)に宣言する。困っている人を放っておけないことを「米田家の呪い」と思っていた結が、それを自分に向いていること、力と感じることができた。その手段として「料理」が見えてきたわけだ。



脚本の根本ノンジ氏はトークショーで結がよこしまな気持ちで栄養士になろうとすると話していたようだが、実は多くの人の「動機」は案外不純なもので、立派な大義名分がある必要はない。



また、結が進路への思いを話したことを機に、愛子が聖人にもやりたいことを話してみたら?と促す。それは神戸に戻り、もう一度理髪店をやるということ。これには結も、祖母・佳代(宮崎美子)も賛成するが、永吉(松平健)に言い出せず......。結局、その機会をうかがううち、米田家を訪れた翔也の言葉からバレてしまい、永吉は大反対。



しかし、ケンカ別れのような形は嫌だと言う結に、永吉は自分の本音を語る。それは、トラックドライバーで各地を飛び回っていたため、家族みんなで過ごした時間がほとんどなかったこと、今一緒にご飯を食べられる日々が幸せであること、息子家族が神戸に行くのはつまらなくなるから嫌だということ――朝ドラでは祖母はヒロインを見守る役割を果たす一方、祖父不在の作品も多い中、「自分の気持ち」をちゃんと伝える男性、それも高齢者を描くというのは結構貴重だ。



それにより、たくさん遊びに来るという約束をかわし、神戸への移住が前向きな形で決まった。自分の気持ちを伝えることは、老若男女問わず大切である。



ところで、かつて結が本音を語った後、歩(仲里依紗)に「次は歩の番」と促したり、今度は結の後に夫の言葉を促したり......こういう順番を重んじる仕切りぶりに、愛子の元ヤン具合が見える気がする。



その一方、歩を妊娠したのは愛子が18歳のときだったことから、聖人が高校生を妊娠させる男とは思えない=歩と結の異父姉妹説も今週SNSでささやかれていた。意外と重要な背景がサラリと描かれ、見逃してしまいそうなことも多い『おむすび』。それが普通の日常描写を重んじる本作ならではの味なのだろう。


文/田幸和歌子

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