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地方在住のLGBTQ+も取り残さない、いま注目の「居場所」。地域ごとのイベントからメタバース上の交流拠点も

OTEMOTO

毎年6月は、日本を含む世界各国でLGBTQ+など性的マイノリティの権利を啓発する活動が行われる「プライド月間」です。首都圏などの都市部には当事者たちが交流できる拠点なども多くありますが、地方在住の当事者は情報や支援にアクセスがしづらいというケースも。そこで、各地やメタバース上に拠点をもつ団体や、複合的なマイノリティ性をもつ人も利用しやすい支援センター、各地で開催される交流イベントなど、さまざまな形の居場所についてご紹介します。

電通グループが全国20~59歳の5万7500人を対象にした意識調査『LGBTQ+調査2023』を元に電通ダイバーシティ・ラボが分析したところ、LGBTQ+への意識に関する質問への回答を都道府県別にスコア化した比較では、最もLGBTQ+サポート世論が強いのは沖縄県という結果となっています。

また、LGBTQ+フレンドリー(LGBTQ+を差別することなく、友好的な関係を築こうとする)な行動をとっているという回答では佐賀県がトップでした。

首都圏などの都市部ではNPOや当事者などが中心となり、性的マイノリティ当事者や当事者かもしれない人が気軽に立ち寄ることができる常設の居場所が開設されています。一方で、地方ではそうした居場所が都市部と比較して少ないケースも。大都市へのアクセスが容易ではない地方在住の当事者の場合、情報を得たり相談をしたりできる機会が限られているという課題があります。

写真はイメージです
Adobe Stock / 9nong

にじーず

にじーずは、「LGBTの子ども・若者が安心して思春期をサバイバルできるつながりを作ること」をミッションに掲げ、北海道、宮城、埼玉、東京、長野、新潟、京都、大阪、神戸、岡山などの各都道府県で無料のオープンデーを定期開催している一般社団法人です。対象は10代から23歳までの若年層で、性的マイノリティの当事者やそうかもしれない人が友達を作ったり、遊んだり、のんびりしたりできる居場所を提供しています。

時間内であれば、いつ来て帰ってもOK。参加する際は、自分の性のあり方は話しても話さなくてもよく、法律上の名前や学校名などを明かす必要もありません。

一部拠点をのぞき、交通費の工面が難しい人を対象に条件を満たせば交通費の一部補助も行っています。また、2024年からはメタバース空間を活用した「バーチャルにじーず」も毎月開催されているので、物理的・心理的に対面での参加が難しい当事者も気軽に利用することができます。

ReBit

ReBit(リビット)は、性的マイノリティを含めた全てのこどもが、ありのままの自分で大人になれる社会を目指す認定NPO法人。教育機関向けの出張授業や企業向けの研修、教材の開発、当事者向けの成人式や就活セミナーなどのイベントを行なっています。

当事者向けの就労支援のほか、障害や疾患がある人の就活支援として「ダイバーシティキャリア」も運営しています。性的マイノリティは社会状況などによりメンタルヘルスが悪化しやすく、特にトランスジェンダーの約4割が過去10年の間にうつなどの精神障害を経験していることが背景にあるのだといいます。さらに、障害や生活困窮に関する行政・福祉サービスを利用したLGBTQの約78%が、利用時に支援者の無理解などセクシュアリティによる困難を経験し、安全網であるはずの福祉を安全に利用できていない実態です。

2021年に開所した東京都渋谷区代々木の事業所に続き、2023年には西日本初となる「ダイバーシティキャリア大阪」を大阪市北区天満に開所。東京都の事業所に年間のべ4000人から相談が殺到し、「自分の地域では相談できる場所がない」という当事者の声が届いたことがきっかけだといいます。

開所に際し、「関西にLGBTQフレンドリーな就労移行がほしい」という期待の声も多く届いていたといい、福祉の視点で当事者や障害がある人をサポートする西日本の拠点となっています。

releys

2021年にスタートした株式会社releysは、LGBTQ+当事者のタレントマネジメントや交流イベント企画などを行う企業。地方で生まれ育ち、なかなか当事者に出会える機会がなかったという、ゲイを公表している当事者の大学生の杉雄大さんが立ち上げました。

所属しているのは当事者のインフルエンサーたち。YouTubeなどの動画サイトやライブ配信アプリで活動しています。

また、杉さんが代表を務め、学生が中心となって活動するジェンダー・セクシュアリティ領域における地域活性化プロジェクト「わたがしプロジェクト」の運営も担当し、各地でイベントを開催。全国9つの支部があるネットワークを生かし、当事者同士やアライ(性的マイノリティの理解者・支援者)がつながることができる機会を提供しています。

このほか、相談窓口や講演を提供している支援団体は全国に多数。認定NPO法人虹色ダイバーシティがまとめている支援団体リストなどもあるため、ぜひアクセス・参加しやすい居場所を見つけてみてください。

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