今週末 (7月11~) 日本のテレビで観られる「華麗なる受賞歴」韓国映画4選
今年、韓国映画は1本も『カンヌ国際映画祭』に長編作品が招待されなかった。不振続きの韓国映画界は、ますます窮地に追いやられている様子だ。
しかし以前から、クオリティーの高い作品を世に送り出してきており、特に名の知れた映画祭や授賞式でトロフィーを手にしたものは、日本でも好評を得る傾向が。
今週末は、CSチャンネルでそんな華麗なる受賞歴を持つ韓国映画が放送される予定だ。
人の好みは千差万別だが、作品性や役者の演技など、様々な観点から高い評価を受けた作品は、一定のクオリティーが期待できるものばかり。
また、文化的・芸術的な面においても秀でているケースが多く、見応えのあるものが多い。
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エクストリーム・ジョブ (2019)
『エクストリーム・ジョブ』は、韓国はもちろんイタリアで開催された『ウディネ極東映画祭』で栄誉ある賞に輝くなど、海外でも高く評価されたコメディーアクション。
犯罪組織を一掃するため、チキン店を営業しながら潜伏捜査をする警察のドタバタ劇を描いている。
捜査が後回しになるほど予想外に店が繁盛し、刑事を辞めようかと本気で考える姿や、キャラクター間の息の合った掛け合いが実にコミカル。人間味と個性溢れる登場人物の一挙手一投足から目が離せない1作だ。
●キャスト:リュ・スンリョン、イ・ハニ、チン・ソンギュ、イ・ドンフィ、コンミョン 他
●日本放送情報:KBS World/2025年7月11日(金) 23:10~深1:40
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。
コンクリート・ユートピア (2023)
『コンクリート・ユートピア』は、韓国の権威ある映画祭の1つ『大鐘賞映画祭』で主演イ・ビョンホンが主演賞に輝いたのをはじめ、作品賞や美術賞、音響評価賞、視覚評価賞を受賞するなど、クリエイティブな側面からも高く評価されたパニックスリラー。
大災害によって廃墟と化したソウルで、唯一残ったマンションを舞台に、生存者たちの生々しい姿を描いている。
危機的状況のなかで明るみとなる人間の本性をリアルに取り上げるとともに、集団心理や権力の本質なども細かく描写されるなど、道徳観が崩壊していく様が見どころ。その過程で様々な人間ドラマが繰り広げられ、災害映画とヒューマンの両方を味わいたい人におすすめだ。
●キャスト:イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン、パク・ジフ 他
●日本放送情報:ザ・シネマ/2025年7月12日(土) 21:00-23:30
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。
親切なクムジャさん (2005)
『親切なクムジャさん』は、『第62回ベネチア国際映画祭』で、Cinema Of The Future(未来映画賞)をはじめ3部門で栄誉ある賞を手にし、韓国のゴールデングローブ賞と言われる『百想芸術大賞』では、主演イ・ヨンエが最優秀女優賞を獲得した作品。
無実の罪で13年間刑務所に服役した女性が、自身に濡れ衣を着せた者へ復讐する物語だ。
重い題材だが、ブラックコメディーやおとぎ話のような演出がプラスされエンターテインメント性も抜群。単なるリベンジに終わらない人間の複雑な感情や葛藤などにもスポットを当てた内容になっている。
●キャスト:イ・ヨンエ、チェ・ミンシク、クォン・イェヨン、オ・ダルス、ソン・ガンホ 他
●日本放送情報:アジアドラマチックTV/2025年7月12日(土) 26:50
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。
犯罪都市 NO WAY OUT (2023)
『犯罪都市 NO WAY OUT』は、スペインで開催された『第56回 シッチェス・カタロニア国際映画祭』と韓国の映画祭『青龍映画祭』で、観客賞に輝いた犯罪アクション。大ヒット映画『犯罪都市』シリーズの第3弾だ。
前作から7年後を背景に、悪党たちに立ち向かう怪物刑事がソウル広域捜査隊に異動して、新種薬物事件の背後でうごめく新たな強敵たちと戦う姿を描いている。
本シリーズの最大の醍醐味であり、長きに渡って愛され続けている理由である主演マ・ドンソクのアクション演技が期待を裏切らない1作。拳一つで、次々と悪者をなぎ倒していく様は、抜群の爽快感をプレゼントしてくれる。
●キャスト:マ・ドンソク、イ・ジュニョク、青木崇高、イ・ボムス、キム・ミンジェ 他
●日本放送情報:ザ・シネマ/2025年7月11日(金) 12:30-14:30(吹替版)、21:00-23:00(字幕版)
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。
(ライター/西谷瀬里)