民間活力で観覧車再建計画 早ければ2026年秋にも 赤穂海浜公園
兵庫県は27日、県下初の「民間によるパークマネジメント」を導入する赤穂海浜公園の指定管理者候補に赤穂市内の2企業を含む共同体を選定したと発表した。
指定管理期間は来年4月から20年間。約15億円を投資して、海を望むカフェやグランピング施設、ドッグランを新設するほか、観覧車を再建する計画となっている。
指定管理者候補に選定されたのは、▽公益財団法人兵庫県園芸・公園協会▽コーエィ(レンタル・イベント業)▽三木組(土木・建設業)▽くいどうらく(飲食業)▽フォーチュンドリーマーズカーニバル(レジャー施設等運営)の5社で構成する「Ako汐サイドヴィレッジコンソーシアム」。
グループの提案概要などによれば、公園開設以来更地の「自由広場」に観覧車、犬を同伴できるカフェとドッグランを2029年度までに新設。さらに34年度までには海を望むカフェをオープンする。ボート乗り場にバーベキュー場を新たに設け、オートキャンプ場にはプライベート・ドッグラン付きのグランピング施設を整備。「赤穂広場」では巨大なビニールプールで水遊びができるウォーターパークや樹脂製の床面をスケート靴で滑る氷のないスケートリンクなどを季節ごとに仮設し、一年を通して誘客を図る。
同公園では、かつてシンボル的存在だった観覧車を老朽化とコスト削減のため2年前に解体撤去したばかり。代表企業の同協会は「観覧車がなくなってさびしい、という県民の声もあり、プロジェクトの目玉事業の一つとして加えた」とし、「観覧車の建設から維持管理までトータルで実施できる企業がグループに加わっているので、従来よりもコストを抑えられる」と採算面にも自信をみせる。以前あった観覧車より10メートル高い60メートル規模を建設する計画で、「順調に進めば2026年秋の運用開始を目標に整備を進めたい」と話す。
同公園の指定管理者公募には4件の申請があり、各グループや企業の提案書類とプレゼンテーションを有識者による選定委員会(委員長=赤澤宏樹・兵庫県立大学教授)が採点。活性化事業の実施内容や実現可能性、管理運営体制や財務状況、収支計画など計200点満点で評価した結果、「Ako汐サイド」が150・6点でトップ。次点は全国20か所でパークマネジメントを手がけるワールドインテックと阪神園芸などのグループで144・9点だった。
12月の県議会の議決を経て、来年1月中にも契約・協定を結ぶ見通し。同協会は「地域とも連携し、赤穂市全体の盛り上げや活性化に役立てる公園づくりを目指したい」と抱負を話している。