子育て世代が集える場所を作りたい!朝峯神社が目指す地域に愛される神社のかたち
子授け・安産の神様がいる歴史ある朝峯神社
朝峯神社は高知市中心部から車で約20分の高知市介良にある。
創建は不詳だが、延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)と呼ばれる延長5年(927年)にまとめられた神社一覧にその名前があることから、1000年以上の歴史がある古社であることが分かる。
子授けや安産の神様、また酒造の神様として地域の人々から親しまれてきた。
真新しい社務所を、子育て世代の集まる場所に
朝峯神社の老朽化していた社務所が建て替えられ、この12月に落成式が執り行われた。
落成を祝って行われた「餅投げ」には、詰めかけた100人ほどの人で溢れた。
木をふんだんに使った社務所は細部までこだわりが散りばめられており、子育て世代にとって嬉しい造りがたくさん。
例えば、細工の美しい応接スペースは座面が畳になっており、小さな子どもが横になれる仕様。
また、トイレは広々としたおむつ替えスペースを完備。
そして2階スペースで今後予定しているのが、妊婦さんや産後の方を対象としたヨガ教室や、助産師さんを講師に招いての沐浴や妊婦体験といったプレママ・プレパパ向けの教室だ。
今回のクラウドファンディングでは、こうした教室の運営に必要となるベビーベッドなどキッズスペースのための備品、ヨガマットなどの購入を使途としている。
朝峯神社33代目にインタビュー
このような変革を推進しているのは、朝峯神社33代目で禰宜(ねぎ)の野村承偉さんだ。
野村さんは大学を卒業後、静岡県にある「藤井六所浅間神社」で修行。2022年に帰郷し、生まれ育った朝峯神社で奉職している。
-今回、クラウドファンディングに取り組もうと思ったきっかけを教えてください。
野村さん:修行をさせていただいた神社が、新しいことにチャレンジしていこうという考えを持つ神社でした。そのため、コロナ禍で行動が制限される中でも、屋外という神社の利点を生かして、2000個の風鈴を飾った「風鈴祭り」を実施するなど人が足を運びやすいようにするためにはどうしたらいいかと考えて取り組みをしていました。その経験もあって、高知に帰ってきてから何か新しいことに取り組みたいという思いがありました。元々朝峯神社は子授けや安産の神様がいる神社ですので、それなら子育て世代の役に立つ取り組みをしたいということで、今回の挑戦へとつながりました。
-子育て世代の方に向けた取り組みとして、どのようなものを計画されていますか?
野村さん:まず、今まで参拝いただいた方からの「子育てについて相談できる人がいない」や「ワンオペ育児が不安」といったリアルな声を参考に、子育て世代の方が気軽に立ち寄れる神社を目指しました。今後は、2階スペースでプレママ・プレパパから子育て中の方まで、幅広く集えるようなヨガ教室や沐浴教室といったイベントを開催したいと考えています。お子さまの成長を、ご家族のそばで一緒に見守っていける神社になることが目標です。
神社というと、最近では初詣でしか足を運ばないという人もいるかもしれない。
そうした神社へのハードルを下げ、「今日はこの教室をしているから神社へ足を運んでみよう」「同じ子育て世代の人と出会えるから行ってみよう」というような、気軽に訪れる場所に変えていきたいという野村さんの思いが込められたプロジェクトだ。
高知の子育て世代の憩いの場所となるように。朝峯神社の挑戦は始まったばかりだ。
▼▼▼クラウドファンディングはこちらから▼▼▼
https://readyfor.jp/projects/asamine-jinja
朝峯神社
住所:高知県高知市介良乙1927番地
TEL:088-860-1482
https://asamine-jinja.jp/
文/長野春子