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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ゲーム再現の音楽はいかに誕生したか ─ 「マリオだ、とわかる懐かしさを」

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日本の誇る“スーパーマリオ”初めて長編アニメーション映画化した『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023)。ゲームへのオマージュが詰まった一作だが、鑑賞の際には音楽にも注目だ。

作曲を手がけたのは、『ワイルド・スピード』『エクスペンダブルズ』シリーズや『トランスフォーマー/ONE』(2024)『クレイジー・リッチ!』(2018)など多岐にわたる作品に参加してきたブライアン・タイラー。米にて、「(スーパーマリオの音楽は)よく知っていました。映画音楽と同じく、自分の成長過程で聴いていたものだから」と語った。

自宅にはゲーム雑誌があり、現・任天堂代表取締役フェローの宮本茂に関する記事を読んだことも覚えていたというタイラー。全編の大半がオリジナルの劇伴音楽で構成されている作品だが、「スーパーマリオ」ファンの愛するメロディを組み込む必要があることは重々承知していたという。

「僕自身が8ビットで聴いていた音楽を、壮大かつエモーショナルな映画音楽の世界に持ち込みたいと思いました。“マリオだ”とすぐに感じられる懐かしさを組み込みたかった。そこで、マリオをテーマにしたスコアを作ろうと考えました。近藤浩治(※オリジナルの作曲家)によるテーマの引用がきちんと絡み合ったものにしよう、と。」

タイラーは独自に作曲した劇伴に加え、おなじみのメロディやモチーフをオーケストラのために編曲し、楽曲のあちこちに散りばめた。少年時代、実際にゲームをプレイしていたときの記憶が作曲に役立ったという。敬愛する近藤とも密に連絡を取り合い、フィードバックを受けていたそうだ。

映画のストーリーはオリジナルで、ゲームのイメージから変更が加わったところもあるが、タイラーの音楽が「スーパーマリオ」と本作を丁寧につなぎとめる。シリーズのさまざまなゲームからモチーフが引用されているため、マリオファンなら音楽だけでも十分に楽しめるはずだ。「過去へのオマージュを捧げつつ、新たなノスタルジーを生み出す」狙いだとタイラーは語る。

なお本作には、タイラーこだわりの編曲にもかかわらず、残念ながら劇中では使用されていない楽曲やメロディもいくつかある(本編ではそのかわりに既存のポップスなどが使用された)。削除された曲や、楽曲のフルバージョンはオリジナル・サウンドトラックでぜひ楽しんでほしい。

映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の続編映画は2026年4月24日に日本公開予定(米国公開は4月3日)。続編でもオリジナルの楽曲が聴けることを楽しみにしておこう。

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