【自己PR作成術】転職のプロ直伝!企業から選ばれる「強み」の言語化3つのコツ【転職デビルに聞く!キャリアの真実】
これから転職活動を本格的に始めようとしているビジネスパーソンにとっては、自分の「強み」を効果的に言語化するのが成功の鍵です。
しかし、多くの人が自己分析に苦戦し、自分の強みを適切に伝えることができていないのが現状です。今日の記事では、 企業分析・業界分析を中心に据えた、誰でもできる面接での自己PR構築の3つのステップ を紹介します。
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今回は、4回の転職を経て外資系大手IT企業で部長を経験、転職・キャリアをテーマにX(旧Twitter)、note、書籍で情報を発信するライター、転職デビルこと安斎響市さんに、 「転職面接で語るべき自分の強みの作り方」 について伺いました。
ステップ1:企業分析
転職活動の準備プロセスにおいては、企業分析・業界分析を徹底的に行うことが重要です。
自分の強みは何だろう?と考えるとき、多くの人は自己分析に時間をかけます。しかし、いくらキャリアの棚卸をしようとしても、何も入っていない棚からは何も出てきません。自分の内面を一生懸命言語化したところで、それを企業が欲しがっていなかった場合、自己PRとして成立しません。
独りよがりな自己分析ばかりを繰り返すのではなく、相手が欲しいものを読み取り、それを正しく言語化することが重要です。そのために、企業分析・業界分析が必要なのです。
【企業分析のポイント】
企業分析の際のポイントは、主に以下の3点です。
求人票を詳細に読む:求める人材像、必須条件、歓迎条件を熟読します。企業が何を求めているのかを明確に理解することが第一歩です。
業界研究:その業界のトレンド、競合他社の状況、自社のポジショニングを調べます。これにより、企業が直面している課題や機会を把握できます。
企業のビジョンと戦略:企業広報やIR資料などから、その企業のミッションやビジョン、戦略を理解し、自分のスキルや経験がどのように貢献できるかを考えます。
求人票やその周辺情報から 企業が求める人材像を把握する ことで、自分の経験やスキルをどのようにアピールすべきかが徐々に見えてきます。
ステップ2:自己PRの構築
企業分析が終わったら、次に、具体的な自己PRを構築していきます。重要なのは、 「自分は何者なのか?」を相手に合わせてストレートに表現すること です。
私はこんな業務を経験していて、あれもできて、これもできて、こういう経験もあって……という「何でも屋」のようなアピールは、得てして企業の採用担当者には響かないものです。
「様々な経験が豊富にあります」ではなく「私の武器はこれです」という簡潔なメッセージを伝えることが重要なのです。その過程として、まずは相手が何を欲しがっているかピンポイントで知るために、ステップ1で企業分析をしたのです。
あとは、「企業が求める人材像」に合わせて、自分の経歴のどこをどう切り取って魅力的に伝えるかの問題です。
【自己PRの構築方法】
具体的なエピソードを選ぶ:過去の経験から、企業が求めるスキルや成果に直結するエピソードを選びます。詳細を問われる質問をされても、すべて答えられるように準備をしておきます。
シンプルで明確に:自分の強みをシンプルかつ明確に伝えることが大切です。特に何を得意としていて、過去にどんな実績があるのかを具体的に示します。
相手目線で魅力的に:相手の立場で、自分の経験がどのように役立つかを強調します。例えば、「前職での○○の経験は、御社の仕事でもこういう風に活かせる」など、入社後にどのように貢献できるのかを詳しく伝えます。
自分の強みを相手に伝えるには、 過去の経験業務や実績をできるだけ具体的に示し、相手のニーズに合わせて柔軟に言語化すること が不可欠です。
ステップ3:根拠と説得力の追加
最後に、ここまでのステップで作った自己PRに、詳細な根拠と説得力ある補足説明を追加して、仕上げていきます。
大きなポイントとしては、 できる限り、数字で実績を表現すること です。やはり、人間は数字に弱く、具体的な数字を出されると心を惹かれてしまうものです。「自分の仕事は数字には表せない」という人もいますが、そう簡単に諦めてはいけません。
【根拠と説得力を高める方法】
数字で実績を示す:例えば、「自分の担当は広報の仕事なので、売上に直接的に影響しない」などの場合でも、直近のイベント動員数や新規取引先の名刺獲得枚数など、具体的な数字を挙げて実績を示すことは可能なはずです。
具体的な成果を挙げる:ただ数字を出して終わりではなく、どのような工夫をしてその成果を達成したのかを詳細に説明します。例えば、「新しいマーケティング施策を2種類導入し、3ヶ月でウェブサイトのトラフィックを25%増加させました」といった具体的な成果です。
理由付けをする:その数字がどのような意味を持つのか、なぜその数字が実績として十分なものだと言えるのかを、具体的に説明します。例えば、「過去数年、総需要の減少によって停滞し続けていたイベントへの動員数が前回比較で1.5倍になりました。これは、競合他社が実施した同様のイベントと比べても連日2倍以上の動員ができたと調査済みです」といった具合です。
重要なのは、ただ数字を出すだけではなく、その数字を相手にすごいと思ってもらえるように分かりやすく説明すること、そして、その成果を出せた理由を具体的に語り、仕事として再現性のあるものだと納得してもらうことです。
自分を少しでも高く売り込もうという姿勢が大事
以上が、転職活動において自分の強みを言語化するための、3つのステップです。
大前提として、できるだけ自分を高く売ろうという意思がなければ、転職活動はなかなか上手くいきません。
自分には何も強みがないと諦めず、しっかりと相手を見て、過去の経歴を売り込む姿勢が大事です。企業が求めるものを理解し、それに合わせて自分の強みを言語化することで、効果的な自己PRが可能となります。
この3つのステップを実践し、自分の強みを最大限にアピールしましょう。
プロフィール
安斎響市@転職デビル
1987年生まれ。日系大手メーカー海外営業部、外資系大手IT企業の事業企画部長などを経て、2023年に独立。「転職とキャリア」をテーマに、X(旧Twitter)、note、書籍などで情報発信を続けている。Xフォロワー4.4万人。転職活動の実践ノウハウを語る週刊連載noteマガジンの有料会員は、累計7000名を突破。
代表著書
『私にも転職って、できますか? 〜はじめての転職活動のときに知りたかった本音の話〜(ソーテック社)』
『転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒント(かんき出版)』
『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法(ソーテック社)』
『正しいキャリアの選び方 会社に縛られず「生き残る人材」になる100のルール(ソーテック社)』
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