完璧主義だと英語力はのびない? 英語力がぐんぐん伸びる”メンタルハック”3選【英会話タイムトライアル】
「英会話タイムトライアル」講師が英会話に役立つメンタルハックを紹介!
「間違えるのが恥ずかしくて、人前で英語を話せない……」「洋画などの英語のコンテンツに挑戦してみるけど、わからない部分が多くて挫折してしまう……」そんなお悩みはありませんか?
「英会話タイムトライアル」講師のスティーブ・ソレイシィ先生が、正しく「完璧な英語」を目指すためのメンタルハックを教えてくれます!
教えてくれた人
スティーブ・ソレイシィ
英会話コーチ。国際コミュニケーション博士。アメリカ・フロリダ州出身。著書に『英会話なるほどフレーズ100』(アルク)、『すぐに使える 気持ちが伝わるシンプル英会話表現』(NHK出版)などがある。趣味はスポーツ観戦、登山。X(旧Twitter)ID: @SteveSoresi で活動を発信中。
「完璧主義」なあなたへ伝えたいこと
英語や外国語を話していて、「完璧!」と思える瞬間はありますか?
僕は母語が英語で、日本語に関しては学習者の立場ですが、「今の自分の日本語は完璧だったな」と思う瞬間がときどきあります。
・会議や打ち合わせで言いたいことが完璧に伝わったとき
・バッチリなタイミングでジョークがウケたとき
・電話で、相手に日本人と間違われたとき
こういうI nailed it! (うまくいったぞ!) って思える瞬間は気持ちがいいし、自信につながります。でも、僕は日本語を「完璧」にしてから日本にやって来たわけではありません。日本に来てから、日本語の力を磨いたのです。 そして、僕は今も日本語の力を磨き続けています。
今、AIや機械翻訳がどんどん進化しています。しかし、「相手の表情を見ながらの会話」、「リアルタイムでの反応」、「その場の空気を読む力」。これらは、まだAIには真似できない、人間だけのスキルです。
今回は、その力を最短で手に入れるための3つのメンタルハックをお届けします。「英語には自信がない……」と思っている皆さんはぜひ参考にしていただければと思います。
Hack 1:目指すべきは、「完璧な準備」ではなく「会話の中の小さな完璧」
日本の「完璧主義」は、本当にすごいと思います。
道路の整備、電車の正確さ、建築の美しさ、接客の丁寧さ、街や人の清潔感。どれも世界トップレベルです。
でも、英語学習ではその「完璧主義」が、かえって落とし穴になってしまうことがあります。僕は多くの日本人英語学習者を見てきましたが、彼らに「あなたは英語を話せますか?」と聞くと、「まだ話せません……。先に基礎を勉強してからでないと……」と返ってくることがほとんどです。もちろん、基礎は大切です。しかし、いつまでも基礎の勉強ばかりしていても、「私は英語を話せます!」と答えられるようにはなりません。
完璧を目指すのは、始めてからでも遅くはないのです。
完璧の状態で始めるのではなく、まずは英会話を始めて、そこから磨いていけばいいのです。そして、少しずつ力を付けていくことで、小さな達成感が継続のモチベーションにつながります。
• 自己紹介で、自分のことが伝わった
• 雑談で相手の好意的な反応を引き出せた
• 会議で「説得力のある説明」をすることができた
会話のひとコマごとに、小さな「完璧」を目指す。
それが、本当に使える英語力を身に付ける近道になります。
Hack 2:とにかく英語に「浸かる」
リスニングを「正解を選ぶテスト」だと思ってはいませんか?
ペーパーテストのリスニング問題に慣れた人は、「100%英語が聞き取れない=意味がない」と思いがち。でも、そんなことはありません。日本語の会話でも「今なんて言った?」と聞き返すことは珍しくありませんよね。英語も1回でもすべてを聞き取れなくても大丈夫です。
必要なのは、全てを1回で聞き取る練習ではなく、とにかく「生の英語」に身をさらす機会を増やすことです。つまり、英語に「触れる」のではなく「浸かる」こと。しかし、浸かるのは自分にとって心地いい水でなければ長続きしません。自分に合った「教材」を見つけるために、次のことを試してみてください。
• 動画配信サービスなどで英語の動画を1分だけ見てみる
• ついていけなかったり、面白くなかったりしたらスキップして別の動画を見てみる
• 「なんとなくわかる」「ちょっと面白い」「この先が気になる」と思ったら続行
最初は1回で聞き取れなかったり、わからない英語が多かったりもするでしょう。大丈夫。それが普通です。巻き戻し機能などを使って、わからない箇所は繰り返し聞いて続けてみましょう。
また、動画を見るといっても、どんなものから始めていいかわからないという方もいるかもしれませんね。難しく考える必要はないんです。自分の趣味に関する動画でも、たまたまおすすめに上がってきた動画でも、とにかく目についたものから始めてみましょう。「少し違うな……」と思ったら、飛ばして次に行けばいいのです。先が気になる動画を「探す時間」こそ、あなたの英語へのアンテナを育てる時間です。
Hack 3:自分の言葉でProductionせよ
これが一番大事なメンタルハックです。本当のスピーキング力とは、文法や難しい単語を正確に使いこなせることではありません。セリフのように決まった内容をOutputすることでもありません。Production、つまり自らで文章を作り出す力こそが本当の意味でスピーキングに必要な力なのです。
• 日本語でまず言いたいことを考える
• それを自分なりに英語で言ってみる
• 言えなかったら、その場で課題が見える
「でも、何を言えばいいかわからない……」という人も大丈夫。それをそのまま英語にすることにも意味があります。
“I don’t know what to say.”
これだって、立派な一文です。
◆ 60秒チャレンジ
Productionの力を磨くトレーニング方法をご紹介します。
例えば以下のようなテーマを設けて、1分間でそのテーマについてできるだけ多くの文で話してみましょう。
Tell me about your family.
Tell me about your hometown.
Tell me about your job.
初級者の目標は、1分で4文以上です。慣れてきたら、文の量を増やしていきましょう。
◆ 「英会話タイムトライアル」を活用する
本当に必要な英会話コミュニケーションの能力を磨くために、ぜひ僕が講師を務めるラジオ講座の「英会話タイムトライアル」も活用してください!
月曜日から木曜日の「SPR(瞬発力)トレーニング」では、自分の言いたい日本語を瞬時に英語にするトレーニングをします。
そして金曜日の「対話カラオケ」のコーナーでは、世界各地からのゲストと模擬会話を行います! 今年度のテーマは「世界を巡る 力試しの旅」です。
番組パートナーのジェニー・スキッドモアさんと僕が、あなたを世界各地を巡るクルーズの旅にお連れします。僕たちと一緒に、完璧を目指す第一歩を踏み出しましょう!
Final Message:完璧主義をいかすには「向き先」がすべて
「完璧主義」はよくないと言われがちですが、そのエネルギーや几帳面さは、頼れる武器になります。でも、そのエネルギーを「完璧な準備」に注ぎすぎないでくださいね。
英語が話せないと悩んでいる方へ。
ずっと「準備中」のまま止まっているあなたへ。
この記事が届くことを願っています。
That’s a “perfect” way to grow!
一緒に頑張りましょう!