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オリックス紅林弘太郎(駿河総合高出身) が侍ジャパンから得たものとは…WBC、メジャーへの思い語る【ロングインタビュー】

アットエス

オリックス紅林が2024年を振り返る

オリックスの紅林弘太郎内野手(22)=駿河総合高出=は1軍に定着して4年目で初めてのBクラス、5位でシーズンを終えた。「何か屈辱というか、初めての感覚でしたね。何とか悪い雰囲気には流されないようにと思ったけれど、ずるずる行っちゃって。負の連鎖でした」

一方、日本代表「侍ジャパン」に招集されて11月のプレミア12を戦い、新しい経験を積んだ年となった。2024年を振り返るとともに、国際大会を通じて得た収穫や来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、メジャーリーグへの思いなどを語ってくれた。

「つまらないバッターになった」

2024年、地元でのオープン戦に出場した紅林選手=草薙球場


24年は自己最多タイの136試合に出場し打率2割4分7厘、38打点、本塁打2本。

「打率の割に出塁率(3割5厘)は良かったんですけど、何か面白みがないというか、目先の結果にこだわってしまって、つまらないバッターになってしまったなと。(来季は)フォームとか大きく変えることはないですけど、取り組みとか考え方を見直していかないといけないなと思いました」

耐えた痛み…骨折だった

昨年12月6日には右足の楔状(けつじょう)骨骨片摘出手術を受けた。痛みは1年ほど前からあったという。

「1週間に2、3回、痛くなる時があって、痛い時はとことん痛くて痛み止めの注射を打って、座薬入れたり、薬飲んでやったりしたんですけど、プレミアの時くらいに我慢できなくなって…。痛み止めが効かないなと思って検査に行ったら折れてたんです。折れて欠けた骨が神経に当たって痛かったみたいです。見た目もすごい腫れてたんですが、痛みにはわりと強い方なので、(プレー)できるくらいなら大丈夫かなと思って続けてたんですけど」

思い当たる原因は自打球だが「いつ当たったかは覚えてない」という。術後は1週間ほど入院し、順調に回復していて、トレーナーの管理下であればバッティング練習もできる。「当たっていた骨が取れたので、そこの痛みはないです。不安がなくなるので、だいぶ違うと思います」と、すっきりとした表情を見せた。

中嶋前監督が残した言葉

入団当初から目をかけてくれていた中嶋聡監督が昨季限りで退任。「僕には本当に厳しかったです。褒められることはなかった。でもちゃんとバッティングを教えてくれましたし、的確なタイミングで声も掛けてくれました。終わってみれば、中嶋さんのおかげで野球できたなと思います」

指揮官がチームの低迷、自らの退任の理由として指摘したチームの「慣れ」については、こう受け止めた。

「3連覇して、FA組も来て、ベテランの方々が引退して、強く言う人がいなくなった。以前は一塁までのダッシュとかしっかりやっていたんですが、やらない選手が出てきたり、言えない雰囲気もあったりして。全部まとめて『慣れ』みたいな感じで監督は表現したのかなと思う。僕も打てなかったりして、当たり前にできることを怠ったことはありましたね。そういうところの積み重ねだと思う」

引っ張っていく立場に

24年9月24日、守備の名手としてチームを支えてきた安達了一さんの引退セレモニーでは「紅林にだけ一言」と名指しされ、「いつまでも先輩に頼っていないで、自分がチームを引っ張ってくれ」と役目を託された。

「安達さんたちがいなくなって、(1軍に長くいる)僕が引っ張っていかないといけないなとは思う。(安達さんのように)行動とか声かけとかできるタイプじゃないと思うので、背中で引っ張っているとみられるような成績を出したいですね 。今年はいろんな意味で勝負のシーズン。監督が代わって、今まで中嶋さんのおかげで出られていたようなものなので、そういう面でも勝負の年ですし、WBCにもシーズンで結果残した人が出られると思うので、そこも勝負の年」

楽天・辰己から学んだ「強気」

プレミア12を経験して、来年のWBCには「絶対に選ばれたい」との思いが一層強くなった。今回招集された代表の野手の中では最年少。村林一輝内野手(楽天)や栗原陵矢内野手(ソフトバンク)ら先輩野手にはしばしば食事に誘ってもらった。1学年上の小園海斗内野手(広島)とも懇意になり「いろいろな話を聞けて、いい時間になった」という。

代表の仲間と過ごす中で感じたことは「日本のトップ選手はみんな自信満々」。その中でも群を抜いていて、刺激を受けたのが辰己涼介外野手(楽天)だという。

「辰己さんは試合になると『俺はスターだ』くらいな感じ。『俺が決めたる』『毎打席打ったる』みたいな。僕は今まで弱気に野球やっていたので、強気にやらないと駄目だなと思いました。相手も死に物狂いで抑えてくるんだから。嘘でもいいから口に出して、そのくらいの気持ちでやらないとと思いました。めちゃめちゃいい経験になりました」

強まるメジャー志向

大会ではドミニカ共和国やアメリカなど、海外選手の身体能力に驚かされた。「メジャーのプロスペクトみたいな選手たちがいて、全米1位で選ばれたオーストラリアのバザーナっていう選手は身体能力、体の強さ、うまさもありましたね。年齢も近いですし、間近で見て感じるものはありました。自分も(メジャーに)挑戦してみたいなという気持ちにはなりました」

年々、メジャー志向は強くなっている。「成績が伴ってないので何とも言えないんですけど」と前置きしながらも「行けるなら行った方がいい。今後の野球人生に生きるし、一つの目標ではありますね」と明言する。

オリックスからドジャースに移籍した山本由伸投手とは昨年11月末に、宮城大弥投手らとともに食事する機会があったという。「メジャーって僕らのイメージだと効率重視というか、日本みたいに長い時間練習やらないんじゃないかって思うじゃないですか。トップの選手はみんな朝早くから来て練習しているし、ノックもたくさん受けているという話を(由伸さんから)聞きました。ベッツとかフリーマンとか、めちゃめちゃ真面目でちゃんとやるという話を聞いて、やっぱりやらないとああいう選手にはなれないんだな、自分ももっとやらないとと思いました」

プロ6年目。大きな夢を叶えるために、これからも真摯に野球と向き合っていく。

(編集局ニュースセンター・結城啓子)
【取材こぼれ話】
背番号「6」を希望していると聞き、真相を尋ねたのですが高校時代に付けていた「6」にはやはり愛着があるそうです。「24もかっこいい番号なんですけど、『6』付けたいですね。ずっと宗(佑磨)さんに『6番下さい』って言ってるんです。こういうことあまり先輩には言わないですよね。でも宗さん優しいんで」と話していました。

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