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ピアニスト及川浩治、デビュー30周年の節目となるリサイタルをサントリーホールにて開催

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及川浩治

2025年にデビュー30周年を迎えた及川浩治のピアノ・リサイタルが2025年10月19日(日)サントリーホールにて開催されることが決定した。

1995年に初めてのCDを発表し、サントリーホールでのリサイタルで鮮烈なデビューを飾って以来、常に第一線で活躍を続けてきた及川浩治。その圧倒的な表現力と深い音楽性を兼ね備えた情熱的なピアノは、多くの聴衆の心を揺さぶり、感動を与え続けてきた。デビュー30周年の節目となる今回は、30年間で最も数多く取り上げてきた3人の巨匠、ベートーヴェン、ショパン、リストの名曲を中心に構成した記念碑的リサイタルを届ける。

リサイタルの幕開けは、ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」。ベートーヴェン3大ソナタのひとつに数えられ、あまりにも静謐で美しい第2楽章が有名な傑作中の傑作だ。「最も尊敬する作曲家はベートーヴェン」と断言する及川浩治。「及川浩治といえばベートーヴェン」という声も多く、これまでにも多くの作品を取り上げてきたが、この30周年のリサイタルにあえてベートーヴェンが若い頃に作曲したソナタを選曲したところに、及川の並々ならぬ意欲が表れているようだ。
続いて、ショパンの作品から厳選された3曲をお届け。及川浩治とショパンの縁は深く、ショパン没後150年にあたる1999年に、自身が企画した「ショパンの旅」が各地で大評判となり全国で3万5千人以上の動員を記録した。「ショパンの旅」は及川を不動の人気ピアニストへ押し上げ、以降も数年ごとに開催されており、彼のライフワークのひとつにもなっている。
ショパンは生涯で4つのバラードを残しるが、今回は“静”と“動”が激しく交錯する「バラ―ド第2番」と4曲中最も優美と言われる「バラード第3番」を演奏する。いずれもショパン独特の叙情性に加え、ピアニスティックな華やかさも持ち合わせた傑作だ。
前半の最後は、及川浩治の代名詞ともいえる「英雄ポロネーズ」。ショパンの祖国ポーランドへの深い愛情と誇りが込められたこの作品は、勇壮で力強く、躍動感にあふれ、“情熱のピアニスト”と呼ばれる及川の演奏が、聴衆を圧倒的な高揚感に導くだろう。

後半は、及川が得意とするリストの作品が並ぶ。華やかで悪魔的な魅力を放つ「メフィスト・ワルツ第1番」、よりロマンチックにアレンジされたブゾーニ編曲版「ラ・カンパネラ」、ワーグナーの劇的なアリアを基にし、濃厚な愛と死の世界を至上の美しさで綴る「イゾルデの愛の死」など、まさにリストの魂を一挙に体感できるプログラムとなっている。
そしてリサイタルの締め括りは、壮大なスケールと深い精神性を併せ持つ「ダンテを読んで~ソナタ風幻想曲」だ。及川は2009年に体調を崩し活動休止を余儀なくされたが、その後、復活リサイタルで最後に演奏したのはこの曲だった。また2015年の20周年記念リサイタルでも1曲目に選曲している。リストはこの曲をダンテの『神曲』「地獄篇」にインスパイアされて作曲した。凄惨な情景や魂の苦痛、そして救済が音楽で表現される。それはまさに、様々な苦難に直面しながらも、未来を信じ、情熱を燃やして演奏し続けてきた及川浩治の姿そのものにも感じられる。

リサイタル開催にあたり、及川よりコメントが到着した。

及川浩治

1995 年にサントリーホールの大ホールでリサイタルデビューしてから30年が経ちました。
聴衆の皆様、スタッフの方々、多くの方に支えられてきた30年です。
皆様に心より感謝を申し上げます。
今回のプログラムは、30年間特に取り上げた作曲家
ベートーヴェン、ショパン、リストの作品から思い出深い曲を集めました。
この素晴らしい作品を通して私の音楽の世界を、
皆様と共に感じることが出来ましたら、演奏家としてこの上ない幸せです。

なお、本公演は「令和 7 年度 文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」に採択されており、小学生~18 歳以下のお子様230名を無料で招待する。詳細は公式サイトにて確認してほしい

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