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〈大人の学び〉社会科見学、昭和の活版印刷の〝現場〟が見える「市谷の杜 本と活字館」で、企画展「FANTASTIC ! プロセスインキ」は多色印刷の世界を学べる

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〈大人の学び〉社会科見学、昭和の活版印刷の〝現場〟が見える「市谷の杜 本と活字館」で、企画展「FANTASTIC ! プロセスインキ」は多色印刷の世界を学べる

 東京・市谷加賀町といえば、古くから印刷業界の大手である大日本印刷株式会社の本拠地。この地から、多くの週刊誌や月刊誌、書籍が印刷、製本されてきた。まさに日本の活字文化の一翼を担ってきた場所といえる。その文化発祥の地にある「市谷の杜 本と活字館」は、活版印刷の職場が一部再現され、文字のデザインから、活字の鋳造、印刷・製本までのプロセスを展示・紹介する〝リアルファクトリー〟になっている。「男はつらいよ」の寅さんが入り込んで来て「労働者諸君!」と、声を上げるシーンが浮かぶが、昭和初期の印刷機が稼働する様子や活版職人が作業する姿も、実際の動きがわかる〝動態展示〟の形で公開しているほか、活版印刷のモノづくり体験ができる工房を備えており、参加型ワークショップも開催している。活字、活版を知らない世代にもぜひ見てもらいたいミュージアムだ。

 

 その企業ミュージアムで、企画展「FANTASTIC ! プロセスインキ」が開催される。写真がたくさん載っている雑誌や、さまざまな色が使われている絵本などカラフルな印刷物を見て、「いったい何種類のインキが使われているの?」と思うかもしれないが、実はほとんどの印刷物は、たった4色のインキですべての色を表現している。

 現在もっとも一般的なオフセット印刷では、基本となる4色(シアン:Cian:藍、マゼンタ:Magenta:紅、イエロー:Yellow:黄、ブラック:Key plate:墨)のインキで多様な色を再現している。印刷の現場ではこれらを「プロセスカラー」と言い、各色のアルファベット表記から「CMYK」と呼ばれる。本企画展は、まさにオフセット印刷のプロセスカラー=「CMYK」が主役。本展では、4色のインキでたくさんの色を表現する仕組みやその特徴が伝えられる。また、「印刷用インキと絵の具は何が違うの?」「色の三原色(CMY)と、光の三原色(R:赤、G:緑、B:青)って何?」「金や銀もプロセスカラーで再現できるの?」といった色にまつわる疑問に明解に答えてくれる。

「FANTASTIC ! プロセスインキ」
会期:2025年2月22日(土)~6月22日(日)
会場 :「市谷の杜 本と活字館」2階展示室(東京都新宿区市谷加賀町1-1-1)
入場無料
*Webサイトはこちら → https://ichigaya-letterpress.jp/

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