福山駅前・市街地で広がるリノベーションまちづくり。リノベリング主催の視察ツアーで「まちづくりの民主化」の最前線を歩く
シンポジウムで事例紹介された地域を現地視察
2025年2月に株式会社 リノベリングが主催し、姫路市にて行われたシンポジウム「なぜあの企業は地域に投資するのか? 民間が担うこれからの公共」。民間主導によるまちづくりの取組について、岩手県花巻市・静岡県静岡市・広島県福山市の3ヶ所の事例を紹介された。それぞれからまちづくりの取組に関わるキーパーソンが登壇しショートレクチャーを実施。パネルトークも開催した。
このシンポジウムの派生企画として行われたのが、視察ツアーである。事例として紹介された3ヶ所を訪れて、実際に現地を見て説明を受ける。5月19日には、広島県福山市の視察ツアーが開催された。
シンポジウムでは、福山市から地元の電気工事企業・福山電業 株式会社の島田 宗輔(しまだ しゅうすけ)代表取締役が登壇した。島田代表は地元・福山市へ帰郷後、本業のかたわら、福山の魅力をみんなで楽しみながら伝える活動を開始する。そして、まちづくりの一般社団法人を設立に至る。やがて福山でまちづくりにに関わる人・団体とつながりが生まれ、福山中央公園でのPark-PFI(公募設置管理制度)へ参画することに。公園内にガーデンレストランを開くなどの取組みに携わる。
また福山電業は、福山市中心部の大型百貨店跡の活用にも取り組む。2022年に建物の1階のみを利用した施設「iti SETOUCHI(イチ・セトウチ)」を開業した。同施設は"屋根のある公園"であり、建物の中にある"小さなまち"と見立てている。「まちの実験場」をコンセプトとし、年間で多数のイベントが開催される。iti SETOUCHIの事例は、大型施設再生の新たな形として注目されている。
福山視察ツアーではiti SETOUCHIの館長を務める、福山電業の谷口 博輝(たにぐち ひろき)さんの案内のもと、iti SETOUCHIや中央公園を訪れた。ほかにも、福山電業以外によるまちづくりの取組みが行われた場所も訪問。複合施設「NEW CASPA」や、リノベーションまちづくりが行われた「伏見町」、アーケード改修により緑が映える姿に変わった「福山本通商店街」、JRの高架下の空き店舗を活用した「フクハチコウカPJ(福山東高架下リニューアル事業)」などを訪ねた。
※参考記事:
シンポジウム「なぜあの企業は地域に投資するのか? 民間が担うこれからの公共」企業が地域とともに発展する新しいまちづくりの形/
関わる人が増えるような「まちづくりの民主化」をし、他地域の参考事例に
福山視察ツアーに先立ち、シンポジウムで登壇した福山電業の代表取締役・島田宗輔さんに話を聞いた。
福山電業は、1946年に創業した電気工事事業の企業。前年の福山大空襲で焼け野原となった福山市街地の復興を、電気工事事業の面で取り組んできた。以来、戦災復興から始まった「まちづくりのマインド」を持ち続け、福山のまちづくりをさまざまな側面から支えている。
島田代表は高校卒業後、進学のために故郷・福山を離れていたが、2012年に帰郷する。「帰郷時に福山電業の仕事以外でも、何か地元のためにしたいなとうっすらと考えていました。当時、その数年前にしまなみ海道が全線開通し盛り上がっていく中、福山の観光戦略が弱いなと感じたのです。そして仲の良い人たちと飲みながら、福山観光について話をすることが増えました。『類は友を呼ぶ』の原理で、仲間の数は増えていきます。2017年ごろから、手がかからなくて尖ったこと、規模は小さいけど好きな人は楽しめるようなことをしようという話に。そして生まれたのが、スポーツ電動自転車のレンタルやサイクルツーリズムの推進を行う『せとうちPEDAL Life』です」と島田代表。
2019年、島田代表は同事業を法人化して「一般社団法人 せとうちPEDAL Life」を設立し、理事表に就任する。法人化によりメディアに取り上げられる機会を増やし、信用度を上げる狙いがあった。信用が上がることによりさまざまなチャンスが増えたり、事業をしやすくなったりするためだ。この活動は、福山電業とは別で行っている。
せとうちPEDAL Lifeの取組みは、メディアで紹介されることもあったという。やがて、地元でまちづくりに関わる人とのつながりが増え、さまざまな取組みへの協力要請が増えていった。そのうちの一つが福山中央公園のリニューアル事業だ。ここには福山電業として参加し、6社で「中央公園P-PFIコンソーシアム」を組織、事業に加わった。また福山電業としては、大型商業施設跡地の活用にも手を挙げ、2022年にiti SETOUCHIを開業した。
島田代表はまちづくりの取組みを通じて得られた、現時点での成果について次のように語る。「行政だけで、まちづくりの取組を行うのは難しいと感じました。また民間でも、大手やパワーのある企業が引っ張っていくのも難しいと思います。まちづくりはコミュニティーシップが重要で、さまざま人が参加して行うものだと感じました。そのためには、街をより良くしていくための過程をいかに民主化していくか。一部の人や組織がまちづくりを行うのではなく、多くの人が参加して行う。そのための間口を広げていく。その点で成果は感じています」
また島田代表は今後の展望として、福山でのまちづくりの取組みを地域をおもしろくする成功事例として記録にも記憶にも残したいと話す。「次第に横のつながりが生まれ、他地域に足を運ぶことも多くなりました。そこで、福山と同じような課題を抱えている地域は、全国各地にあるんだなと思ったんです。ほかの地域の方々に、ぜひ私たちの取組みをまねしてもらえるようにしたいと思います」
同社の運営するiti SETOUCHIは、島田代表や同社のまちづくりのマインドが詰まっている施設だという。「他地域に『福山っておもしろいね』『うちでもやりたい』と思ってもらえるように、運営側・利用者側含めiti SETOUCHIに関わる人の熱量をもっと高めていくために運営力を磨いていきたいです。キーワードは『おもしろがれる人がおもしろくなる』『コミュニティーの温度を上げる』ことですね」と島田代表。
地方にとって、まちをおもしろくすることが生き残り策だと島田代表は言う。それによって幸福度が上がるという。「まちをおもしろくするには、関わる人を増えやすくする場をつくる必要があります。関わる人が増えれば、新しいことも生まれやすくなります。それが『まちづくりの民主化』なんです。将来まちづくりを担う若い世代にも幸福度を上げるために、彼らなりのやり方でまちづくりの民主化を続けてほしいと思います。そのためのプラットフォームとしてiti SETOUCHIを、ドンドン活用してほしいです」と島田代表は期待する。
新たな活用方法で大型商業施設の再生を図った「iti SETOUCHI」
「iti SETOUCHI」は、福山駅南口から西方約300mのところにある。同施設の入る建物は1992年、織物染色工場跡地に大型百貨店「福山そごう」としてオープンしたものの、2000年に閉館。その後、2003年に商業施設「福山ロッツ」が営業したが2013年に閉館。同年に「リム・ふくやま」が営業するも、2020年に閉館となった。そして2022年、福山電業によって1階部分のみを使用した施設のiti SETOUCHIとして再開したのである。
谷口館長は「 iti SETOUCHIの特徴は、周囲の街とシームレスで連続性のある開かれた空間であること。施設を『屋根のある公園』『小さなまち』として捉えています」と話す。
連続性を高めるため、壁の一部を撤去して開口部を大きくする工夫がなされた。さらに屋外の公開空地と屋内の一部分を換地。これにより、屋内を貫通する通路のような公開空地を内部に引きこんだ。この通路状の屋内公開空地は「メインストリート」と名付けられている。
さらにiti SETOUCHIは、周囲の商業地区・住居地区・文教地区が交わる地点に位置している。3地区の特徴を施設内に引きこむように、屋内をデザイン。屋内の商業地区寄りのゾーンに飲食店・小売店を、住居地区寄りのゾーンにコワーキングスペースや貸事務所などビジネス系施設を、文教地区寄りのゾーンにはイベントスペースなどを配置した。まさに「小さなまち」が再現されている。
谷口館長は「iti SETOUCHIのコンセプトは『みんなの希望をつくる場所』。何かに挑戦したい人、新しいことを始めたい人が、iti SETOUCHIを活用してステップアップをしてほしいという思いがあります」と語る。iti SETOUCHIではイベントが活発に開催されており、2024年には年間で約400件のイベントが行われたという。
さらに谷口館長は、市内外にある製造業などのクリエイティブ部門をiti SETOUCHIを含む福山駅前エリアに集積させたい思いがあるそうだ。製造部門は広い敷地が確保できる郊外が便利だが、クリエイティブ部門は街中にあった方が業務の面でも人材採用の面でも有効だと考えているためだ。実際に株式会社 北川鉄工所は、iti SETOUCHI内の貸オフィススペースに設計部門を移転している。
iti SETOUCHIでは今後新たに「"みんなでつくる"クリエイティブ公民館」をコンセプトに据え、次なる展開を模索しているという。「商業だけを運営の軸にしたのでは、続かないと考えています。地域のみなさまと一緒におもしろいことを仕掛けていく施設にしたいのです。実際に当施設の来館者は、百貨店や商業施設とは明らかに異なる層。iti SETOUCHIに来れば地域のおもしろい人に出会え、地域のおもしろい情報が集まるような『地域のインフォメーションセンター』として育てていきたいと思っています」と谷口館長は語った。
※参考記事:
広島県福山市「iti SETOUCHI」は"屋根のある公園"であり"小さなまち"。まちの未来をつくる大型施設再生の新たな形
駅前に登場した「NEW CASPA」、PARK-PFI事業でリニューアルした「福山市中央公園」
JR福山駅南西に位置する三之丸町にある「NEWCASPA(ニューキャスパ)」。もともとこの場所には大型商業施設「CASPA(キャスパ)」があったが、2012年に閉館し、その後の活用法は未定のままであった。そして閉館から12年の時が経った2024年にNEWCASPAがオープンする。
NEWCASPAは南・中・北の3棟からなり、その各1〜2階部分の総称。商業施設で構成されている。なお南・中棟の3階以上はオフィス、北棟は3階がドローンサッカー施設で4階以上が住居(マンション)になっている。商業施設は、地元と全国の特色ある企業がそれぞれ個性を生かすことをコンセプトにしている。地元の個性的な企業と、特色を持ったナショナルブランド店が入居する。
たとえば地元の企業では、人気のスニーカーブランド「SPINGLE」の直営店。ナショナルブランドとしては、アウトドアグッズ店「スノーピーク(snow peak)」が入っている。スノーピークは出店地域の特色を出した「地域連携店舗」に力を入れる方針を示しており、その1号店が福山店となる。
※参考記事:
福山市「NEWCASPA」がついにオープン。市民に親しまれた商業施設の再生による駅前活性化と三之丸町周辺の動向
「福山市中央公園」は福山駅の南約700m、福山市中心市街地の南部に位置し、福山市中央図書館のある「まなびの館 ローズコム」に隣接している公園だ。2020年より福山市はPark-PFI(公募設置管理制度)による公園のリニューアルを実施。中国・四国地方で初となる試みで、2021年にリニューアルが完了した。リニューアルを実施したのは、地元を中心とした民間企業6社からなる「中央公園P-PFIコンソーシアム」。6社とは福山電業 株式会社、株式会社 ガスエナジーヤブタ、建内レンタル 株式会社、篠原テキスタイル 株式会社、株式会社 SPDX、株式会社leukである。
リニューアルされた中央公園には、公園内にガーデンレストラン「Enlee(エンリー)」が開業した。さらに東屋(あずまや)が設置され、木陰が生まれるように木々を植樹し、芝生広場も設置されている。それぞれの配置も、駅側から続く商店街からの導線が考えられているという。
ハード面の整備だけでなくソフト面の整備が行われたのも特徴で、定期的にイベント「ENT PICNIC(エント・ピクニック、旧称 NIWASAKI )」を開催。マルシェや青空図書館・骨董市・芝刈りイベントなどさまざまな企画が行われ、多くの人が足を運びにぎわっている。
ENT PICNICなどのソフト事業を展開する組織・ENT(エント)のメンバー、大和屋製パン工場 代表の塩出 喬史(しおで たかふみ)さんは「以前の中央公園は、市民が日常的に訪れている状況ではありませんでした。日陰やベンチが少なく、利用しづらさもありました。非常にポテンシャルの高い場所でありながら、生かされていなかったのです。福山で開催されたリノベーションスクールで出会ったメンバーが手を取り合い、Park-PFIに手を挙げました」と話す。
塩出さんは、自分たちがENT PICNICを通じて公園の使い方を市民の方々に見せることで、同じように市民の方が公園を使ってイベントなどの取組みをしてもらいたいという。実際にイベント参加者が、中央公園で新たなイベントを開催した事例があるとのこと。「市民の日常の延長線上にある、まさに庭先のように使える公園をめざしています」と塩出さんは語った。
リノベーションまちづくりで新規開業が増加した「伏見町」
「伏見町」エリアは福山駅のすぐ南東に位置する地区で、過去に再開発の話が幾度かあったが、実施されなかった。かつては繊維関連の企業が多くあったが移転し、昔の古い建物が多く残されている地区である。再開発が断念された伏見町だが、2018年に福山市で開催されたリノベーションスクールを機に、新たな動きが始まる。古い建物を生かした、リノベーションまちづくりに活路を見いだしたのだ。
こうして2018年12月の肉バルとゲストハウスの開業を皮切りに、リノベーションによる店舗開業が相次ぐ。7年間で30店舗もの新規開業があったという。
リノベーションによる新規開業の一つである「AREA INN FUSHIMICHO(エリア・イン・フシミチョウ)」。伏見町で長年にわたり映画館を営業する株式会社 フューレックが、自社ビル1階にあるコワーキングスペースを改装し、カフェとゲストハウスのレセプションを設置した。宿泊場所は伏見町内に点在している、分散型のゲストハウスである。町内の空き物件をリノベーションし、宿泊場所にしている。
株式会社 フューレックのエリアイン事業部・藤本 晃次(ふじもと こうじ)マネージャーは「街全体を一つの宿と考える『まちやど』がコンセプトです。宿泊は弊社、飲食は伏見町にある店で楽しんでもらうことで、伏見町という街自体を盛り上げるのが目的です」と話す。同施設の利用者は多く、満室になる日もめずらしくないという。
同社はほかにも、福山駅前エリアの店を巡るイベント「福山駅前はしご酒」を定期的に開催し、地域の周遊性を高める取組を行っている。
株式会社 umika(ウミカ)は、伏見町にあった施設をリノベーションして、2020年にシェアキッチン「Little Setouchi(リトル セトウチ)福山伏見」を開業した。同施設は利用者に片付けなどを手伝ってもらう代わりに賃料を下げ、同時にスタッフを非常駐にして運営側の負担を少なくするという工夫がされている。
また運営の負担が抑えられた分、調理設備に投資。飲食営業と菓子製造業での営業許可が取得されており、低コストで高スペックの調理設備を使い、少ないリスクで駅前という一等地で店舗運営ができるのがメリットだ。
谷田 恭平(たにだ きょうへい)代表取締役は「Little Setouchiは、創業支援を目的にしています。Little Setouchiで実験的に営業してみて、手応えを感じたら本格的な店を持つという流れを考えています。これまで利用店の5店に1店の割合で、独立店舗を出店されました。飲食店というかたちで街を盛り上げる人を育てることで、まちづくりに貢献したいです」と話す。
※参考記事:
福山市伏見町のリノベーションによる街づくり。再開発の遅れを逆手にレトロな雰囲気を生かし人が集まる街に
広島県福山市で市街地活性化に取り組む「umika」。"まちづくりのクリエイティブチーム"として地域に新たな価値を
アーケード改修で緑あふれる通りになった「福山本通商店街」
視察ツアーでは、福山駅の南東に位置する「福山本通商店街」も訪れた。同商店街はかつての福山城下にあり、城下を南北に通っていた街道沿いに発展した商人町を起源とする。昭和時代の戦後、アーケードが設置され、本通の南側に連続する「本通船町商店街」とともにアーケード商店街を構成していた。しかし老朽化が問題となり、2015〜2016年にアーケードの改修が実施されて生まれ変わったのである。
アーケードの屋根部分は撤去し、無数のワイヤー状のものに変更。支柱部分はそのまま生かし、路面を新たに石畳にした上で、両サイドに多数の木々を植樹。「ガーデン・ストリート」をコンセプトにしたという。アーケードの改修は商店街、植樹を含む道路整備は福山市が実施した。
アーケード改修事業は「とおり町 Street Gareden(ストリート・ガーデン)」と名付けられた。取組みは2017年にグッドデザイン賞の金賞を受賞し、高く評価されている。
アーケードの改修工事を施工した、福山市にある大和建設 株式会社の三谷 繭子(みたに まゆこ)専務取締役は「改修前はアーケードの老朽化により、薄暗い印象がありました。改修によって緑あふれる明るい印象に様変わりし、市民のみなさまからも驚きの声が多く聞かれたのを覚えています」と話す。
さらにアーケード改修によるイメージ向上は、商店街の活性化につながったという。「改修前の本通は30%を超える空き店舗がありました。改修を機に少しずつ空き店舗に入居者が入っていき、2025年現在では空き店舗が10%未満という状況です。各種イベントも開催されており、改修前に比べて明らかに活気が出ていると感じていますね」と三谷専務。
また大和建設では2023年より新たな事業として、本通商店街にキッチン付きのレンタルスペース「imanoma(イマノマ)」を開設。本通商店街のさらなる盛り上がりにつながる拠点に育てていきたいとのことだ。
長年の空き店舗を復活させたJR福山駅東高架下リニューアル事業「フクハチコウカPJ」
福山駅南口から約450m東に位置するJR路線の高架下には、店舗区画がある。本通商店街の北端部と接する場所になる。区画は全部で8区画あるが、営業するのは1店舗のみで、残る7区画は長年にわたり空き店舗のままであった。2014年にJR西日本が体制変更をし、空き店舗になったあと賃貸はされないまま残されていたのである。
街のにぎわい創出のため、この高架下を有効活用できないかという話が生まれ、Little Setouchiの運営企業であるumikaが協力することになった。JR西日本とumikaの共創プロジェクトととして「フクハチコウカPJ(プロジェクト)」と銘打たれ、約10年止まっていた高架下の時間が動き始める。
umikaの谷田 恭平 代表取締役は「単に店舗に入ってもらうだけではなく、この高架下の場所を福山で唯一無二の魅力的な場所にすることをめざしました。そのために、この地域で個性を発揮する店舗を集めたのです」と語る。
古くから高架下で営業する老舗のイタリア料理店に加え、2024年12月に居酒屋・カジュアルフレンチ店・豚骨ラーメン店がオープンした。居酒屋は中心部の人気店が移転、カジュアルフレンチはLittle Setouchiで運営していた店舗が独立、豚骨ラーメン店は中心部の人気ラーメン店の姉妹店で、いずれも実績があり個性あふれる顔ぶれだ。
さらに2025年5〜6月には炭火焼き料理店・umika直営のギャラリーカフェ、ビストロがオープン。8区画中の7区画が埋まることになった。谷田代表は「この場所をまとまりのある一つの商業エリアとして打ち出し、周辺エリアと連携しながら中心市街地に新たな人の流れを生みたい」と意気込む。
約4時間半にわたり、福山駅前・中心市街地のまちづくりの事例施設を回った視察ツアー。本来、2月に姫路で実施したシンポジウムだけで終了する予定だったが、シンポジウム参加者からの要望があり、今回の視察ツアーが実現したという。
主催した株式会社 リノベリングの酒井 良(さかい りょう)ディレクターは「実際にまちづくりに取り組んでいる参加者の方が多かったので、福山の実例を見て学び、自分たちの取組みに生かしたいという思いをひしひしと感じました。熱量が違うと思います。視察ツアーの要望は予想外の展開でしたが、実施できてとても良かったと感じました」と振り返る。
視察ツアーでは参加者の視点が鋭く、具体的な内容の質問も多く出た。視察ツアーの経験は、実際にまちづくりに取り組んでいる参加者の、今後の活動に生かされるだろう。また福山の今後のまちづくりにも期待したい。
※取材協力:
株式会社 リノベリング
https://renovaring.com/
福山電業 株式会社
https://tovio.com/
iti SETOUCHI
https://iti-setouchi.com/
ENT
https://www.instagram.com/ent_fukuyama/
AREA INN FUSHIMICHO
https://areainn.jp/fushimicho/
Little Setouchi
https://littlesetouchi.jp/
大和建設 株式会社
https://www.daiwakensetsu.co.jp/
株式会社 umika
https://umika.jp/