藤枝MYFCの須藤監督のいわき戦後コメント。金子翔太の初ゴールに「ゴールが良薬。これから量産態勢に入ってもらわないと困る」
藤枝MYFCは3月15日、J2昇格同期組のいわきFCを2−0で下しました。試合前まで対戦成績は1勝2分3敗と苦手な相手でしたが、金子翔太選手の移籍後初ゴールで先制し、久富良輔選手の2戦連発で追加点を挙げてホーム初勝利を挙げました。次節23日は大分トリニータとのアウェー戦。過去6戦全敗の天敵を倒し、開幕ダッシュを狙います。
須藤大輔監督
ー試合を振り返って。
前節は劇的に追い付きましたが、自分の中では勝ち点2を失ったと捉えて、選手とも共有してきました。前節はディフェンスの強度、スピードが圧倒的に足りなかったです。セットプレーで失点しましたけど、セットプレーになる前が問題だとしていわき戦に臨みました。
きょうは相手のストロングであるロングスローも含めたセットプレーにする前に断ち切ることができていたと思います。自分たちでシャットアウトする守備ができ、ビルドアップもチディ(GK北村)が判断してコントロールする中でゴールが生まれるといういい形ができました。
相手が勢いをもって向かってきた後半に5~10分間、相手の時間帯になったところは精査しなければいけませんが、ベンチでもピッチ内でも「どこが空く」という判断ができて、「相手がこう来たら、こうしよう」という後出しじゃんけんができました。
だからこそ3点目を取らなければいけません。一番危ないのが2点差なので反省点はありましたが、前節の勢いをそのままに勝ち点3を取れたのは選手をたたえたいです。
ー前半は空中戦に強いいわきにあえて裏へのボールを多用した。
前半はいわきのプレスの位置、人数を認知して最適解をしっかり狙えていたと思います。先制点の場面も相手が一番嫌がるところにボールを送って、手数をかけずに速い攻撃からゴールするという今年のテーマを表現できました。相手が試合の中で変えてきた後も、少し時間はかかりましたがしっかり対応できたと思います。
ー後半はいわきが前から来る状況を押し返した。
甲府戦の悔しさを胸に準備してきたプレーを表現してくれました。特にセンターバックは本当にはね返していましたし、ボランチもしっかりセカンドボールを回収し、体を張ってマイボールにしてくれたのが大きかったです。我々の土俵では勝ち、相手の土俵でも上回るというのができ始めてきました。これを継続することを徹底したいです。
ー森(侑里)選手を初めて3バックの中央で起用した。
J3琉球では真ん中でしっかりとプレーしていた選手なので、むしろ3バックの右はやりにくさを感じていたかもしれません。谷村選手との1対1はつぶしとカバーをしっかりできていたので、J2でもできると証明してくれました。加えてビルドアップでは特長でもある斜めのボールの差し込みが随所に出ていました。
ーディアマンカ選手のプレーも質が上がってきた。
前線で相手を1人はピン留めしてくれますし、プラスでもう1人も残させることができているのでうまく使っていきたいです。ただ、彼も点を取りたいはずなので早く日本でのファーストゴールを取ってもらいたいと思います。やっと慣れてきたのでもっといくんじゃないですか。
ー後半の立ち上がりは受け身になった?
相手は行くしかない中でGKにもプレスをかけてきました。その状況も準備していましたが、いざ来られるとボールの収まりどころがなかったです。前半はチディでプラスワン(数的優位)がつくれましたが、後半は別のプラスワンを見つけるのに10分かかってしまいました。
ー直近3戦で7ゴール。攻撃の完成度は。
PA内に頻繁にボールを入れていくことができています。それまではアタッキングサードの周りを回しているだけで相手も怖くなかったと思いますが、今はチャレンジするボールが増えてきたので得点につながっていると思います。
あとは練習中にも言っていますが、脚を止めないことです。(セットプレーのこぼれ球に飛び込んで2戦連発の)久富がいい例です。ゴールに向かってプレーしているとボールが落ちてくるということを、しっかり表現できていると思います。ストライカーのマークは厳しくなるので、自分が点を取りたいだけではダメ。スペースを空ける動きであったり、おとりになる動きだったりという献身性が出てきています。結局、そういう人間のところに最後はボールが落ちてきます。
ー金子翔太選手にゴールが生まれた。
特に移籍してきた選手が真にチームに溶け込むには、ゴールが良薬なんじゃないかと思います。多分、本人が一番ほっとしたのかなと。これを皮切りに量産態勢に入ってもらわないとこちらも困りますので、この1点に満足せずもっとチームを引っ張ってもらいたいと思います。
ー雨のいわき戦は昨年ホームで後半に追い付かれた。ハーフタイムでの指示は。
まったく指示は出していません。ただ、甲府戦の前に、昨季の甲府といわきのアウェーは最低のゲームだったとは伝えました。いわきには昨季ホームで後半、土砂降りの雨という相手の土俵で負けたので、そこでも勝とうという意識は選手の中にあったのかなと思います。本当に払拭するようなパフォーマンスを出してくれました。