国策なのに国政選挙で争点にならない原発政策。変わるために必要なことは?
10月11日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーで、ジャーナリスト・日野行介氏に日本の原発政策について話を伺った。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「今日は日野さんに原発政策は変わるのか、変わるために必要なことはどういうものなんだというテーマで語っていただきたいと思います。エネルギー・原発について各党の公約を整理しますと、考えが近いのは自民党・日本維新の会・国民民主党。そして、立憲民主党と共産党が近い。公明党は心は立民・共産に近いんだけど、体は自民党のほうにあるという、まぁそんな感じでしょうかね。日野さん、これをご覧になっていかがでしょうか?」
日野行介「基本的に大きな括りで言うと、どこも現状維持でそのままっていうことなんじゃないかなというふうに思いますよね。原発について私は20年取材しているんですけど、国政選挙で大きな争点になったのを見たことがないんですよね。福島の大事故があっても、大きな争点になったことがないし、これまで原発の是非が争点になったのって全部地方選挙だけなんですよ。特定の原発の増設だったり設置だったり、あとは再稼働だったり、そういったことを争点にして知事選・市長選・住民投票みたいなことがあっても、国政では原発ってほぼ議論にならないんですよね。票を左右しないって政治家側は言うんですけど、結局ここで言ってる文言も全て『原発について触れないわけにはいかないから一応入れた』っていう範囲を出ないんじゃないかなと僕は思っていますね」
長野智子「これって大きな問題ですよね。一つの国のエネルギー政策が長期にわたってどういうふうにしていくのかっていう、なんで国政選挙で話し合われないんだろう?」
日野「しかも国策なのにですよね。すごく大きな矛盾なんですよね」
長野「これは思惑としてはなんとなくその議論を広げたくないとか色々あるんですかね?」
日野「票にならないってみんな言うんですけどね。それは逆に言えば有権者が馬鹿にされてると思ったほうがよくて、原発に対する姿勢で(投票する政党を)決めたいと思っている人は、『ちゃんと選択肢を提示してくれよ』『わかりやすく選択肢をやってくれよ』『こんな言葉遊びみたいに違いがよくわからないような文言はやめてくれよ』ってちゃんと突きつけないといけないわけですよ。でもそこはやっぱり突きつけきれてない。メディアの責任も大いにあるとは思いますけど、上滑りしてしまっているっていうのが現状だと思いますね」