技術と感性を磨き続ける 鶴崎工業高校写真部 【大分県】
県内でも屈指の実力を誇り、多くの大会で入賞を重ねる鶴崎工業高校写真部。今年の「第9回大分県高文連写真コンテスト」では、竹永来姫、渡辺芽依(ともに3年)が最優秀賞を受賞し、全国高校総合文化祭(全総文)への出場を果たした。また、同コンテストで優秀賞を受賞した5人は、九州総文福岡大会へと進んだ。
人物撮影を得意とする竹永は、独自の感性を生かし、ステンレス製の曲がった鏡に映る友人の姿を写した。そのユニークな視点が高く評価された。一方、空気感を捉える技術に優れた渡辺は、自分のスタイルを確立しつつも、被写体やテーマに応じた多様なアプローチを試みている。「卒業後は写真映像学科のある大学に進学し、将来は(写真の)指導者の道を目指したい」と意欲を語る。
感性を刺激し、個性ある作品を生み出している
同部は昨年から、高校の枠を超えて一般の写真コンテストにも積極的に挑戦。「富士フイルムイメージングシステムズPHOTO IS写真展」には16作品を出品し、「第1回Nikon TopEyeフォトコンテスト」では、1年生の山形和輝が単写真部門で新人賞を受賞する快挙を成し遂げた。
こうした実績の背景には、顧問の中村健太郎教諭の「生徒が撮影に専念できる環境づくり」へのこだわりがある。「カメラの技術指導はもちろん重要だが、それだけでは大会で結果を出すのは難しい。撮影会の準備や会場の予約、機材の管理といったマネジメント、部全体の運営を円滑にすることを大切にしている」と語る。
また昨年は、部の活動の幅を広げる新たな挑戦として、「北部九州インターハイ柔道競技」の撮影係を担当。報道関係者と並んで競技の様子を記録する貴重な機会を得た。「普段のコンテストとは異なる視点での撮影は、生徒たちにとって大きな刺激となった」と中村教諭。
数々の経験を積み重ねながら、鶴崎工業高校写真部は今後も生徒一人一人の個性と感性を大切にした一枚を追求し続ける。
写真部は70人が在籍している
(塩月なつみ)