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猫の『しっぽ』に起こりうる病気・事故5選 動きや状態…異常を知らせるサインもご紹介

ねこちゃんホンポ

猫の『しっぽ』に起こり得る5つの病気・事故

動きが独特で可愛らしい猫のしっぽ。細かい動作を可能にしているのは、尾の長さによって様々ですが、数個~23個程連なった尾椎と呼ばれる骨と神経のはたらきによるもの。人間に例えるなら背骨のような構造になっていま

猫はしっぽを巧みに操ることでバランスを取ったり、コミュニケーションを図ったりしています。

そんな生きるうえで重要なしっぽですが、時に病気や事故に遭ってしまうことがあるのです。今回は家猫に多い、家庭内での病気や事故を5つ紹介いたします。

合わせて異常を示すサインについても解説していきます。

1.踏まれる事故

まず多いのは『踏まれ事故』です。愛猫の存在に気がついてはいたものの、しっぽまでは注意が行き届かず踏んでしまうケースです。

先ほど紹介したように、しっぽには神経が通っています。尾骨神経と呼ばれるこの神経は、骨盤や下腹部、陰部など重要な神経と繋がりを持っています。

踏まれることで相当な痛みを感じることはもちろんのこと、骨折のリスク、最悪の場合は歩行障害や排尿障害にまで発展する恐れがあります。

猫の傍を歩く際はしっぽの位置に注意を払うように心がけましょう。

2.引っ張られる事故

しっぽを踏まれた衝撃に驚いて咄嗟に逃げようとした結果、更に引っ張られるという最悪の状況もあり得るでしょう。

また小さなお子様がいるご家庭では、お子様が猫のしっぽを強く掴んで引っ張ってしまう恐れがあります。

いわば『引っ張られ事故』ともいうべきこの事案においても、やはり先ほどと同様に下半身の機能を麻痺させる可能性があります。

『ギャー』という悲鳴の後で、後ろ足やしっぽそのものに異常を来たした場合はすぐに動物病院へ連れて行ってください。

障害が強い場合は不可逆的(治らない)可能性もあるので、日頃から、お子様がしっぽを引っ張らないように気をつけましょう。ある程度言葉が理解できる年齢であれば『痛い痛いだよ』『優しく撫でようね』と声かけするようにしてください。

しっぽが強く引っ張られるという事故に関しては、ある程度予防ができます。痛ましい事故が起きてしまわぬよう、気を引き締めてください。

3.挟まれる事故

しっぽを取り巻く災難はまだ続きます。お次はドアに挟まれる事故です。

飼い主さんが誤って扉に挟んでしまうケースもありますが、風によって強制的にドアが閉まった結果、挟まれてしまうというケースもあるでしょう。

歩く時と同様に、扉の開閉時もしっぽの動向をよく気にかけるようにしてください。換気中は突風によって勢いよくドアが閉まる恐れがあります。部屋のドアを開けっ放しにする際は、ドアストッパーを活用してください。

4.スタッドテイル

スタッドテイルとは、余分に分泌された皮脂によってしっぽがベタついたり、雑菌が繁殖する病気です。あわせて脂っぽい臭いも放ちます。

猫自身も違和感や痒みを覚えるため、しっぽを舐め続けたり噛んでしまうなどの2次的な悪循環を招く恐れがあります。

スタッドテイルは主に未去勢のオス猫に現れる疾患です。半年〜1歳頃を目安に去勢手術を受けることで予防ができるので、しっぽを痛める前に手を打ってあげましょう。

何かしらの事情で去勢ができない場合や、去勢をしてもしっぽにベタつきが出る場合は、定期的に蒸しタオルで拭いて余分な油脂分を除去してあげてください。

雑菌の繁殖などにより皮膚炎が悪化する場合は、動物病院で処方される薬用シャンプーや抗生剤が必要になることもあります。

5. 馬尾症候群

「馬尾症候群(ばびしょうこうぐん)」とは、腰としっぽの間に位置する馬尾と呼ばれる神経が圧迫されることで、痛みやその他神経症状を生じる疾患の総称です。

馬尾症候群の原因として最も多い疾患が、「変性性腰仙部狭窄症」とされています。腰仙部の脊柱管が狭窄する要因として、骨の変形や椎間板ヘルニアなど後天的な病気によるものや、先天的な骨の奇形に起因するものなど様々です。

症状はしっぽのケガと同様に、痛み、歩行障害や尿失禁、足のふらつきなどが挙げられます。

比較的症状が軽い場合は抗炎症薬や鎮痛薬などの服用で様子を見ます。適宜運動を制限し、安静にしてもらうことで痛みを抑えていきます。

重度の場合は手術を行い、神経の圧迫を取り除く減圧術を試みます。合わせて背骨の安定化を図る固定術を施す場合もあります。

尚、手術による治療は個々の状態によって内容が変わります。また、馬尾症候群に類似した症状を呈する他の病気とのふるい分けも兼ねて、慎重に診察する必要があります。

まずはかかりつけの動物病院を受診し、状況に応じて経験豊富な医師を紹介してもらうと良いでしょう。

まとめ

しっぽにまつわる3つの事故と、2つの病気を紹介いたしました。

しっぽを負傷した猫は強い痛みはもちろんのこと、最悪の場合は排泄のコントロールを失うことや歩行に支障を来すことがあります。

そのことを念頭に、日頃から事故が起こらないように気をつけましょう。特に小さなお子様が猫と触れ合う際は、絶対に目を離さないでください。声かけが可能な年齢の場合は、遊ぶ前の注意喚起を必ず行いましょう。

スタッドテイルに関しては、去勢手術を受けることで予防や軽減が期待できます。

馬尾症候群は本来大型犬に主流の病です。しかしながら小型犬や猫にも起こり得るものなので、気になることがあれば獣医さんに相談してみてください。

しっぽは猫にとって重要なパーツ。家族として健康や安全面に留意しながら愛おしいしっぽを守ってあげましょう。


(獣医師監修:唐野智美)

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