ネガティブ思考は長所になる!ネガティブ思考がもたらす意外なメリットとは【心の不調がみるみるよくなる本】
ネガティブ思考も長所になる!
「ネガティブ思考」と聞くと、否定的なイメージが思い浮かびます。しかし、必ずしも悪い面ばかりではありません。では一体、どんな強みがあるのでしょうか。
ネガティブ思考の強みも知っておく
「ネガティブな考え方」を、無理に否定する必要はありません。ポジティブな考え方をしようという意欲は大事ですが、「結局できなかった」「変えられなかった」などと落ち込むくらいなら、無理をして考え方を変えることなどありません。ネガティブな考え方をする自分を認めることで心が安定するのであれば、そのほうが精神的には健全といえるでしょう。
そもそも人間の思考や感じ方は、ポジティブかネガティブかという白黒で分けられるものではなく、2つの極の間には無限のグラデーションが存在しますし、当然、ネガティブ寄りになっていたほうがいいときもあるのです。
例えば、アメリカのクラークソン大学の研究によれば、ネガティブ思考の人はそうでない人よりも、何かを選択しなければならない場面でベストな選択をすることがわかっています。その理由は、ポジティブ思考の人はものごとを楽観的にとらえ、時間をかけて選択について考えることがないからだと推測できます。
不安障害の治療のために通院しながら、コツコツと仕事や学業、家事などにに取り組んでいる人は大勢います。そもそも責任感が人一倍あり、我慢強い性格だからこそ、不安障害になってしまったというケースは大変多く、だからこそ長い治療にも耐えられるのでしょう。
不安を強みにして丁寧な確認をする
社会不安障害の人は、自分の話し方や態度が相手にどう映るかがひどく気になり、自分のことしか考えられなくなることがあります。
「まだそこまでではないけど、人と話をするのが苦手だな」と感じている人は、自分のいったことが相手に伝わっているかを確認するとよいでしょう。この「会話を確認すること」には、いくつかのメリットがあります。
まず、「ちゃんと話ができたのか(伝わったのか)」という不安が解消されます。もしも、相手の答えが自分の意図と違っていても、もう一度話すことで、相手とのズレを埋めることができます。そればかりか、あえて確認したことで、よりお互いの理解は深まるでしょう。話をするのが苦手で不安なのであれば、むしろそれを強みにして、丁寧なコミュニケーションをとるようにすればよいのです。
何度も書いてきたように、不安を感じない人はいません。
不安を感じているのであれば、誰かあなたが信用している人に、その気持ちを打ち明けましょう。一人でも理解を示してくれる人がいたら幸運です。なぜなら、感情や共感を通じた人間関係ほど、強いものはないからです。
ネガティブ思考のメリット
ネガティブ思考の人の「失敗を恐れて忍耐強く検討する」という性格が、仕事などにおいてよい結果を招く場合もあります
質の高いアイデアを生み出せる
アイデアの欠点が気になる性格のため、「もっと改善できるはず」と考えて、妥協せずに練り上げられる。
ものごとを慎重に進められる
最悪の事態も含めたあらゆるパターンを想定してものごとを進めるので、仕事も丁寧でミスが少ない。
地道な努力が得意
派手なことやハイリスクなものへの興味が薄いため、確実な方法を選び、地道な努力を続けられる。
リスク回避能力が高い
慎重に考え、軽率に行動することがないためリスク管理能力が高く、トラブルにも慌てずに対処できる。
独自の視点を持っている
「本当にそうかな?」と疑いの視点で慎重にものごとに接し、考えるので、本質を見極める能力が高い。
他人の気持ちに気づきやすい
いろいろなことで思い悩むことが多いゆえに、人の気持ちに細やかに寄りそって考えることができる。
「ネガティブ思考は100%悪い」などと思い込んだりせず、無理せず自分らしく生きることを目指しましょう
CHECK!
ネガティブ思考だったとしてもメリットはたくさんある会話が苦手なら、より深いコミュニケーションを目指そう
【出典】『心の不調がみるみるよくなる本』ゆうきゆう:監修