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駅ビルのエスカレーターで「謎の渋滞」発生、原因は彼氏の「爪先スライド乗り」だった 30代女性の「恥ずかしかった」記憶

キャリコネニュース

画像はイメージ

人は誰しも何らかの癖を持っており、自覚していないものもあるだろう。些細な癖なら問題ないが、それが他人に迷惑をかけるものだと厄介だ。時にはそれが別れの原因になることもあるようで……。

東京都に住む山下さん(仮名、30代女性)も10年ほど前、当時付き合っていた男性の「ある癖」が気になったという。一方で彼は自身の癖に気づいておらず、一緒にいた山下さんがやきもきさせられていたようだ。

結局、この癖がきっかけとなり彼への気持ちが冷めていったというが、一体どんな癖だったのか……。山下さんに出会いから別れに至るまでの経緯を振り返ってもらった。(文:天音琴葉)

「優しい人だから」付き合い始めたら……

当時の山下さんは20代。勤務先で同じくフリーターをしていた男性と出会った。

「自然と仲良くなって、仕事帰りに告白されました。優しい人だからいいかなと思って付き合いました」

しかし、交際開始から1か月も経たないある日のデートで、山下さんは彼の“奇妙な行動”を目の当たりにする。

それは、都内の駅ビルを訪れ、エスカレーターで各階を移動していた時のことだ。そのエスカレーターは一列しかないタイプだった。平日で人もまばらだったが、なぜか二人の後ろは詰まってきていた。

原因は、彼の独特すぎるエスカレーターの乗り方にあった。

彼氏は「まず乗り口で立ち止まるんです」

一般的な大人がエスカレーターに乗る際には、立ち止まることなく歩行の延長線上でステップに足を乗せる。まだエスカレーターに慣れていない子どもや、大人でも脚などを怪我している場合には、一歩立ち止まってから乗ることもあるだろう。一方で彼の乗り方はかなり変わっていた。

「彼は上りのエスカレーターに乗る時、普通に一歩踏み出すのではなく、まず乗り口で1秒ほど立ち止まるんです。そして、ステップが出てきた瞬間に爪先を乗せて、そのまま流れに身を任せてスライドするみたいに乗る、というか……。本人はつま先乗せた瞬間にベルトコンベアの荷物になる、みたいな感じです」

この乗り方の一番の問題は、乗るたびに一回一回立ち止まるため時間がかかること。何階も移動する場合はかなりのロスが発生する。そのために後ろには渋滞ができていたが、当の本人はその状況に全然気づいていなかったという。彼にとってそれがスタンダードな乗り方だったようだ。

「楽しそうにしている彼が恥ずかしかった」

エスカレーターで渋滞を引き起こしている彼にうんざりしながらも、山下さんは「早く乗って」「後ろが詰まってるよ」などと声をかけることができなかったそう。

「彼が割と傷つきやすいタイプだったので、どう言おうか言葉を選んでいるうちに面倒になって、結局何も言えませんでした」

幸い、後ろに並んでいた人たちは渋滞の原因に気がついていないようだった。

「『なんか混んでる??』みたいな感じで、まだ原因に気づいていないからか、イライラはしていなかったと思います」

だが、山下さんの心中は穏やかではなかった。

「後ろが詰まっていることに全く気づいていませんでした。それどころか、付き合い立てということもあって楽しそうにしている彼が恥ずかしかったです。もう今度からはなるべくエスカレーターを一緒に乗るのは避けようと心に決めました」

ところが付き合って1か月もしないうちに事件が起きた。

同僚と口論→急に辞めた彼氏を問い詰めた結果……

別れの直接の原因となった出来事をこう振り返る。

「彼が働いていたお店で同僚と口論になったらしく、急に辞めてしまったんです。そのことについて私がきつめに問い詰めたら、そのまま音信不通になりました」

山下さんは急に仕事を辞めた彼を心配するあまり、結果的に強めの言い方になってしまったのだろう。一方で彼の取った行動からは、職場でもプライベートでも面倒なことからは逃げるという姿勢が見える。

結局のところ、彼の独特なエスカレーターの乗り方だけで別れたわけではないというが、「理由の一つではありました」と山下さんは語った。彼のエスカレーターの乗り方そのものより、渋滞を引き起こしているのに周囲の状況に全く気づかない鈍感さや、それどころか「楽しそうにしている」という子どもじみた姿が、何よりも受け入れられなかったのだろう。

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