2024年度「川崎市自治功労賞」受賞者紹介 多摩区 次代へ より良いまちを 生田団地自治会 井上佶会長
「選ばれるとは、思ってもみなかったなあ」と子どものように笑い、「自治会員の皆さんや家族の後押しがあって、いただけたもの」と周囲への感謝を口にする。
1972年に市営生田住宅が建てられた。5棟に約160世帯が入居、自治会が発足した。数年後、総会に参加した際、ひょんなことから議長を任され、以来自治会運営に携わるようになった。2002、03年度と会長を務め、一度退任したのち08年度に再び就任。今日まで組織をけん引してきた。多摩区や生田地区青少年指導員、多摩防犯協会でも要職を歴任し、地域を支える。
生田住宅は22年から建て替え工事が行われ、入居していた世帯の多くは新たな住まいへ移った。昨春竣工した1号棟には自身も含め、顔なじみが多く住むが、27年に完成予定の2号棟には新しい世帯が入居する。「新旧住民同士のコミュニケーション」を目下の最重要課題とし、「新しい世帯に自治会に入ってもらい互いに助け合っていきたい」と展望を語る。
住民の憩いの場である団地の集会室には入れ替わりで誰かしらが立ち寄り世間話などして帰る。桃や端午の節句、夏祭りなど四季折々の行事もこの場所で行われる。「自治会には発想の豊かな連中が多い。催しも継続が大事。新しい人にもどんどん参加してもらいたい」。次代へより良い団地を残すため、与えられた役目に全力を尽くす。