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男性育休取得100%の江崎グリコ、職場で取りづらい育休取得をあと押しするチェックリストを公開

月刊総務オンライン

男性育休取得100%の江崎グリコ、職場で取りづらい育休取得をあと押しするチェックリストを公開

江崎グリコ(大阪府大阪市)は11月14日、育休取得に関する意識調査の結果を発表。男性育休取得率100%の同社が作成した「育休ガイドブック」の一部を一般公開した。

育休の申請にためらうのは、取得者が増えたせい?

11月19日の「いい育児の日」に際して行った同調査では、育休対象者の4割以上で申請にためらいがあることが明らかになった(42.0%、とてもある、まあまあある、の合計)。

その理由として「社内に迷惑をかけてしまうから」と回答した人が、半数近くいる(47.6%)。「給与面だけでなく、引継ぎの負担など同僚や上司への配慮が背景にある」と同調査では指摘。取得者が増えたからこそ、「なんとなく大変そう」というイメージから、より具体的な引継ぎ業務の負担に直面していることがうかがえる、と考察する。

2番目に多かったのは「育休をポジティブにとらえてくれる社風ではないから」で20.0%、次に「会社の制度が理解しきれていないから」が17.1%で続く。

育休の申請に関してためらうことはありましたか(または、ありますか)?(SAn=250)

不公平感やハラスメントなど、部下へのフォローに不安を抱く上司が半数

上司側にも調査を実施した。部下の育休・産休のフォローに対し、不安を感じている人の割合は半数近くに達する(48.8%、とてもある、まあまあある、の合計)。

具体的な不安要素を聞いたところ、トップは「フォローによって、チーム内に不公平感が生まれないか不安になる」で38.4%だった。また、約4人に1人が「ハラスメントにならないか不安になる(24.8%)」と答えている。

ご自身は部下の産休・育休フォローについて不安を感じたことはありますか?(SAn=250)

引継ぎ業務は会社によってそれぞれ異なる、とした上で、「実際にあるとよい引継ぎ制度やフォロー体制」について自由回答で聞いたところ、マニュアル化しづらい、またはマニュアルが整備されていない実情に対する希望が散見された。主な回答は以下の通り。

 ・動画による作業手順、記録がほしい(30歳代男性)

 ・各自、各部門にお任せ的なところがあるので、最低限必要なことの基準が必要(50歳代女性)

 ・引継ぎマニュアルの整備(30歳代男性)

江崎グリコが作成、職種共通の内容を抽出したサポートリストを一般公開

社内外で育児環境の向上につながる取り組みを展開する同社は、独自に育休ガイドブックを作成しており、以下のシートを他企業に向けて公開している。

 ・業務サポート体制構築チェックリスト

産休・育休取得前後に、取得者本人・上司・同僚それぞれの立場で、時系列に沿ったタスクを確認できるチェックリスト。同社社員の声を基に、どの職種でも共通する内容を抽出して作成。

 ・家事育児分担ワークシート

家事や育児を仕分けし、産後のタスク分けができるワークシート。育休取得者が出産前に、家族で今後について話し合うためのツールの1つとして活用できる。

同社は育休取得について、上司と育休対象者の相互理解を深め、育休を取得する社員や多様な働き方への理解促進を目的として「Co育て(こそだて)トライアル」を実施。当メディアでは第1回の取り組みのようすを紹介している。

「育児しにくい職場環境なら転職検討」育児中の男性7割、女性は8割以上 民間調査

プロフェッショナルバンク(東京都千代田区)が11月12日に発表した「育児×男女の働き方」に関する調査では、育児中の共働き世帯の男性の7割以上が「育児しにくい職場環境である場合、転職を考える」と答えている(75.9%)。女性はその割合が8割以上に達する(81.5%)。

育児しにくい職場環境である場合、転職したいと考えますか?(※画像クリックで拡大)

「育休対象者と上司の意識調査」は、育休経験者と育休取得予定者(250人)、育休の申請を受けた経験のある上司(250人)を対象に、10月11日から15日の間、インターネット調査で実施。サンプル数は男性352人、女性148人。同発表の詳細は江崎グリコの公式リリースにて確認でき、「業務サポート体制構築チェックリスト」「家事育児分担ワークシート」もダウンロードできる。

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