JR東海、30年後の未来に向けた長期指針「ありたい姿」策定 人口減少とAI進展を見据える
JR東海は19日、30年後の未来に向けたグループの長期指針「ありたい姿」を策定した。人口減少やAI(人工知能)をはじめとする技術の急速な進展が見込まれる中、リニア中央新幹線全線開業を軸に、サービスの多様化に取り組む方向を示した。
新指針は同社グループが目指す将来像を具体的に示すものであり、安全の確保を最優先に、東海道新幹線の輸送力向上や超電導リニアによる高速輸送網の構築を進め、人口減少社会での新たな移動需要を開拓する。
リニア中央新幹線は東京―大阪間を結び、大動脈の二重系化による国土強靭化を図る。開業により東京・名古屋・大阪間に「日本中央回廊」を形成し、中間駅周辺の新たな人流創出も狙う。東海道新幹線の輸送余力が生まれることから、沿線地域と協働して地域発展につなげる方針だ。
AI、ICT(情報通信技術)、XR(クロスリアリティ)などをはじめ、あらゆる技術が発展し、人々の暮らしや仕事の仕方にさらに浸透するとみられる中、社員の能力向上や業務効率化を進め、働きやすく強靭な組織づくりも掲げた。
JR東海はコロナ禍による影響からの再出発にあたり、新サービス開発や業務改革を通じ、10~15年かけて年間800億円規模のコスト削減を目指す。同社は「安全・正確・快適な輸送サービスを提供し、持続的な成長を実現することで、ステークホルダーの利益に繋げる」としている。
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