眠れる多くの天然資源に恵まれるアフリカが、なかなか成長できなかったのはなぜ?【図解 地理と経済の話】
天然資源に恵まれるアフリカが、なかなか成長できなかったのはなぜ?【図解 地理と経済の話】
今も残る植民地時代以来の経済構造
アフリカには素晴らしい大自然や人類発祥の地というポジティブなイメージもありますが、一方で貧困や飢餓といったネガティブなイメージも付きまといます。実際、鉱物資源に恵まれていて、鉄鉱石や石炭・石油などの化石燃料、希少性の高い金やダイヤモンド、レアメタルなど、その埋蔵量は世界的に見ても指折りです。にもかかわらず、貧困から抜け出せずにいるのはなぜでしょうか。
その理由のひとつに、資源の産地の偏りがあります。資源を持つ国や民族と、それを持たぬものとの間で紛争が起きたのです。200万人の死者を出すに至ったナイジェリアのビアフラ戦争や、22年間続いた第二次スーダン内戦は、民族・宗教対立が際立っていますが、石油をめぐる利権争いもありました。つまり、アフリカの中での一致団結ができてこなかったのです。
特定の一次産品の生産や輸出に依存する、植民地時代以来のモノカルチャー経済も問題視されています。アフリカを原料供給地と見なすヨーロッパの宗主国によって主導されてきた経済システムで、不作や価格変動に左右されやすく、収入が安定しないのです。
眠れる多くの資源を有効活用するという以前に、先進国は構造的貧困に悩むアフリカに対してフェアな開発支援を行う必要があります。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』