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最後の私小説作家を回顧 姫路文学館で車谷長吉展

播磨時報オンライン

最後の私小説作家を回顧 姫路文学館で車谷長吉展

  姫路文学館(姫路市山野井町)で特別展「没後10年 作家 車谷長吉展」が始まった。
 47歳にして本格的に文壇に登場以来、「反時代的毒虫」を自称した鬼気迫る無二の文学世界で多くの読者を魅了してきた同市出身、車谷長吉(1945-2015)。高利貸しだった祖母や発狂した父、自殺した叔父など近親者を題材にした私小説「鹽壺(しおつぼ)の匙(さじ)」(1992年)で芸術選奨文部大臣新人賞と三島由紀夫賞、吹き溜まりの街でモツの串打ちを仕事にする男と背中に刺青のある謎めいた女の逃避行を描いた長編「赤目四十八瀧心中未遂」(1998年)で直木賞を受賞したことで知られる。
 東京都文京区の終の住処「蟲息(ちゅうそく)山房」に残した約1千冊の蔵書、500点のノートやメモ、原稿類、200点の書簡類など膨大な資料が妻から当館へ一括寄贈されたことを受けて企画した。
 ▽少年期 「喪失感」の在処▽東京の十年 汝はだれか▽関西の九年 贋世捨人▽再びの東京 命の遣り取り▽反時代的毒虫 作家車谷長吉─の5章構成で69年の波乱万丈の生涯をつぶさにたどり、その奥深い文学世界の魅力を紹介している。
 関連イベントとして、5月17日(13時半〜15時)と6月7日(同)に学芸員による展示解説会(当日先着150人)、6月21日に全編が播州弁で綴られた伝説の作品「抜髪」の朗読会(同)を行う。
 6月22日まで(月曜休館)。入館料は一般800円、大学生・高校生460円など。
<2025/05/16>

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