ふーっと一息できる 新松戸の癒やし喫茶『foo cafe』で発酵食品の恩恵を!
流鉄流山線の小金城趾駅から徒歩7分、JR常磐線新松戸駅からは徒歩15分ほどの住宅地にある『foo cafe』。母と娘、親子で20年余りの時間を重ねて作り上げた喫茶空間には、落ち着いて一息つけるゆとりの時間が流れている。発酵食品も隠れた人気メニューだ。
家庭的な空間にほっと一息
大きな校庭のある松戸市立小金中学校や、大きな集合住宅が立ち並ぶ見通しのよい道の角地に、白壁に樹木が映えるモダンな建物がある。エントランスの木製扉を開けると、大きな窓ガラスを設えた心地よい空間。思わずほっとする柔らかな空気が流れる。
店主は徳永英子さんと娘さんの綾子さん。『foo cafe』の「foo」は、安心して一休みをすると思わず口から出てくる息遣いのオノマトペだ。
創業は、2002年11月。当初はごく普通の日本民家で始め、2019年に建て替えて今に至る。
綾子さんの大学卒業を契機に母と娘の共同経営を始めた。親子でよく喫茶店巡りをするうちに「やってみようか」ということに。
「最初のころはお客さんから大丈夫? と言われるほどでした」と笑いながら開業当時を振り返る綾子さん。試行錯誤を重ねながら親子で作り上げてきたという店は、どこか家庭的な喫茶空間だ。
からだ全体が癒やされる発酵食メニュー
お店のメニューは、いろいろ工夫をしているうちに、からだ全体でおいしいと感じる食を追求するようになったという。
15年ほど前から近くの畑や田んぼを借りて有機自然農法で野菜や玄米を作り始め、さらに発酵食品の奥深さに注目するように。
店のおすすめメニューでもある発酵玄米は、発酵の工程も工夫され、そのフルーティーな風味ともちもちとした触感が食欲をそそる。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な玄米と、時間をかけて作られていることが一口でわかる特性カレーとのコンビネーションは絶妙で、食べていると、確かに全身においしさが浸み込んでくる。
「このあんこもお砂糖を使わずに発酵させて小豆(あずき)の甘みを引き出してるんです」と、デザートに差し出してくれたのは、発酵あんこモナカ。食べるとほんのりとした甘みが口の中に広がり、ほかにない深い味わいに思わずにんまり。手間暇かかったあんこを包む、招き猫のような形のモナカもかわいくて、人に教えたくないと思ってしまうほど魅力的な一品だ。
ほかに、酵素ジュースもおすすめメニュー。特に季節ごとのフルーツで作る酵素ジュースは人気が高い。
グリーンが映えるくつろぎの白い店
窓ガラスを庇(ひさし)のように覆う、もちの木の緑がまぶしい店内は、白壁に木の椅子というごくシンプルな空間。「グリーンが映えるお店にしたかった」というお二人が理想の喫茶空間を実現している。
入り口脇の階段を上がった2階も自室にいるようにくつろげる空間で、読書や仕事はもちろん、一家だんらんもできそうなダイニング風の個室感が魅力だ。リラクゼーションにちなんだワークショップやイベントも不定期で開催しているという。
「ゆっくりした時間を過ごせてもらえたらうれしいです」と綾子さん。口数の少ない母の英子さんも厨房でにっこり微笑んでいる。
商店街から離れた立地という環境だからなのか、店には落ち着きのあるゆるりとした時間が流れている。駅から少し歩くけれど、足を延ばしてまた寄りたくなる、心身ともに癒やされる店だ。
foo cafe(フ―カフェ)
住所:千葉県松戸市新松戸北2-6-21 /営業時間:10:00~17:00/定休日:金・土/アクセス:JR常磐線・武蔵野線新松戸駅から徒歩15分、流鉄流山線小金城趾駅から徒歩7分
取材・文・撮影=常田 薫